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2008/05/20

[RPG] Speaking of TORG, ... 

なぜTORGは後が続かなかったのだろう… @ うがつもの

それにしても、『TORG』は僕ら70年代半ばの『RPGマガジン』育ちの世代にとって黒船級のゲームでありましたが、後が続かなかったという感があります。翻訳ゲームですし、シリーズとして物語が完結してしまったというのもありますけど、あれほど影響力のあったゲームでありながら、その後のTRPG業界に痕跡を残さなかったのは不思議です。復刊,COMでも最上位の復刊希望作品だけに「使命が終わった」状態だとは思えないのですが、絶版になって久しいから知らない人も多いのでしょう。

『TORG』は登場するのが早過ぎたゲームなのだったのでしょうか。当時でも何か言葉にならないとっつきにくさというものを感じていました。一部のコアなTRPG通のみが歓迎したのみで、やがてM:tGブームの嵐にひねり潰されたのではという思いを今も感じています。

あまりまとまってないけど色々。

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2008/05/08

[RPG] Re: Life, Death, and Intermediate State of them 

 以前書いた記事Life, Death, and Intermediate State of themに関して、

終わりにしたつもりだったけど @ one of those BLUEish days

同じ様なことを考えている人がいるなぁ、とか。

あれもこう、HPみたいに呪いポイント作れば良いんですよ。呪いポイントが累積していって一定値を超えると麻痺とか石化とか。数ターンで直る麻痺なら少し呪いポイントを与えればよくて、永続効果の場合は大変とか。

D&D4eのsleepは、抵抗とは関係無くslowを与えるらしいと、D16さんのページの記事に書いてあったりなど、all-or-nothing以外の処理になったりとかで、RPGのゲームシステムは日々進歩しているのだなぁ、と思ったり。

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2008/04/25

[RPG] Playing PC (Player Country) 

国家を運営するようなTRPGありますか? @ TRPG 相談室

冲方丁著、スプライトシュピーゲルⅣ テンペスト(ISBN 978-4-8291-3281-4)で、登場人物がTRPGをして遊ぶシーンがでてきます。
このTRPGは一人一人国家元首のPCを作り、協力して世界政府を樹立するのを目的としたものと作中では説明されています。このTRPGの元ネタを知っている方はいらっしゃいますでしょうか。
...
1PCに対して1国家が与えられるようなものはあったのでしょうか。それとも完全に冲方丁氏の創作でしょうか。


 まぁ、「スプライトシュピーゲル」に出てくる様な社会モデルのルール(しかも小説では computer-aidedの良く出来た社会シミュレーションモデルのようだが)では無いのだろうけど、1PLが1国家とか1勢力とか1家系をある種演ずると言えなくも無い遊び方も出来るRPGというのも全く無かった訳ではないです --- 商業的に成功を収めたとは言わないが。
 1994年にLast Unicorn Gamesから出版された、ARIAというTRPGが一番近いものかも。

ARIA: Canticle of the monomyth @ Pyramid

というのがSJGのPyramid誌に載ったレヴュー記事(のオンライン版)。

 なんか非常に分厚い英語のルールで更に英文も難しいという噂で、およそPLが集まるとは思われず、従って出版当時もルールを読んだ事は無く、当時読んだレヴュー記事を思い出して書いてます。(なので、もしかしたら嘘が混じっているかも)
 Ars Magicaが個々のPCの成長ではなくてコブナントの発展を遊ぶゲームだとするならば、ARIAはキャンペーンワールドの歴史の発展を遊んだり背景世界をみんなで作り上げるゲームだ、と言っても良いでしょう。国家とか家系とか勢力のデザインをする部分と、具体的なPCを作って遊ぶ部分とがミックスしている感じで、年代記を作る様なゲームだと聞いた様な。当時はまぁこの手の野心的なTRPGが出版されていた時代だったんですね。

 あるいはAria RPG @ EN World Forum に書かれている解説も参考になるでしょう。

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2008/04/18

[RPG] Life, Death, and Intermediate State of them 

Life and Death, and Point of No Return @ 烏賊学研究所・二号館

となっと、ファンタジックさの要はむしろ、「生きてさえいれば回復が可能であること」のほうにあるよなぁ? と思う、医学系のはじっこに生息してるボク。死者の蘇生についてはファンタジックさがわかりやすいですが、「『HP がある間は死なない』という前提よりも、『HP は回復する』という前提のほうが実は現実からは乖離しているんじゃまいか」とか主張すると SAN の残りが疑われそうです。

この記事の元になった「HP は何故減るのか」などを含め、HPとかその回復とか負傷とかそのペナルティとかについて考えた事をつらつらと。



まぁHPは判りやすく運用しやすいルールなのは確かで、ゲームの主眼が負傷状態の細かな描写に無い場合 --- どうせ殺してしまう敵ならば、戦闘可能状態と死亡状態の1bitで良い --- ならばHPでもいいんだけど、キャンペーンでシティアドベンチャーとかやりだすと、殺したく無い(殺すと官憲がまじめに捜査する)が取り押さえたいとか痛めつけたい、などの状況は多々ある。抽象化が過ぎるとGM判断の余地が多くなり過ぎ、GM-PL間の認識の差が多くなりすぎる。

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2008/04/01

[April Fool][RPG] 2008 April Fools Links 

TRPG関係で見つけたもの。随時追加します。



会社買収の連鎖


その他

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2008/03/17

[RPG] Hierarchy of RPGer 

OGC2008と「コミュニティ・ピラミッド」─CGM的視点から見たTRPG市場考 @ God and Golem, Inc.

『そして私は、「ツールメーカー」つまり〈システムデザイナー〉に優秀な人はたくさんいるけれど、その下の生態系ピラミッドがガタガタになっているのが今のTRPG市場なんじゃないかという考えを持っています。
 名GMが評価されるような基準はそれほど育っていないし、カジュアルプレーヤーが色んなTRPGを始めるには人材・経費・場所などコストがかかりすぎる。もちろん色んな努力をしている人はいますが、課題がまだまだ山積みなのは、がんばっている皆さんご自身がご存知の通りでしょう。』


 いや、TRPGでも充分「中間層」に相当する人々はいるんじゃないかな?
 例えばD&Dなんかだと、Hobby JapanのD&DのコンベンションのDM陣とか、まさにその中間層なんじゃないのかな?
 同種の存在は、例えば深淵とか、他のTRPGとかでも存在するんじゃなかろうか。

 USでのD&Dに限って言うと、最初はDungeon誌に投稿シナリオが採用されるのがライターになる登竜門だと言われている。そこで実績を上げると、Dragonやサプリの原稿依頼が来る様になるんだとか。あと、RPGAのイベントでDMをする為の認定資格のHerald DMなんてのもあったよね。
 Ars Magicaについては、Berklist (UC Berkeley校のサーバ上で運営されるMailing List)に質の高い投稿を続けて、セミプロ同人雑誌(いまならSub Rosa誌)に記事を投稿してとかしてるとサプリ執筆の依頼が来る、とLine Editorが言っている。GloranthaもおそらくBerklistとか有名同人誌とかに、プロ〜セミプロみたいなTRPGerのコミュニティがある。

 まぁTRPGに関していうと、アカデミックな評論の場は無い訳だけど、でもデザイナーと平ユーザの2つの階層の間に何も階層が無い訳じゃないと思うんだけどなぁ。

----

 ところで、TRPGには勝ち負けは無い訳だけど、M:tGとかは賞金の出るトーナメントなどなどの方向に向かって一定の成功を収めた訳だ。単に階層を作れば成功するというならば、そういうのを参考にするというのも、もしかしたら有効なのかもしれない。

 D&Dなんかについていうと、トーナメントプレイを熱心に布教しようとしている人は日本にもいる。で、上位入賞常連みたいな人が「日本チャンピオンが教える、最適化PCの作り方や、チーム編成」とか出したら、新書程度の値段だったら買わない?日本語の追加サプリが出るたびに最適化は変わるだろうし、定期的に売れるかもしれんよ。
 トーナメントの賞金の財源をその辺の出版物から捻出して、代わりに優勝チームの各PLは、なぜこういうキャラメイクをしたかとか、トーナメント最中に使ったマンチキンなコンボの解説を行う義務がある、とかすれば、案外売れるんじゃなかろうか。

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2008/03/13

[RPG] When Values Collide 

イマジナリーボードの意図と問題意識 @ xenothの日記
「タカハ信者」だけはつくってはいけないと思った。/追伸:議論と悪事についての私の考察再発掘 @ GOD AND GOLEM, Inc.
安心できるかボケぇぇぇぇえ @ xenothの日記

 このあたりの議論を読んでの感想。
 大昔に馬場コラムを巡る議論をした時はまぁ炎上上等という感じで議論をした訳なんだけどだけど、今回は岡目八目なところがあるので、割と穏当に書けるかなと思う。

● 議論のステージ

 TRPG論を語る際には、自分の書いている文章を次の3つのどれに当てはめようと思っているのか意識すべきなんだと思う --- まぁ自分でも常に意識してるとは言いがたいのだけど。

  1. 個人の感想や意見の発露:端的にいうと「私は○○が好きだ」「私の好き嫌いを基に考えるならば○○は○○であるべきだ」という話。好き嫌いをベースに議論するのだから、客観的な根拠は要求されない。一方で、個人の価値観は尊重されるべきなので、このカテゴリに属する他人の文章を批判する際は結局のところ、「あなたはそう思うのですか。私は違う意見を持ってます。」以上には発展しない。勿論、例えば「私の好き嫌いを基に考えるならば○○は○○であるべきだ」という文章が立派なノウハウ集(例えば私の価値観に基づく素晴らしいマスタリングのテクニック)である、という可能性もあるので、このカテゴリの文章にも価値が無い訳では無いし、前提となる価値観を認めた上でならば、共通認識に基づいて議論も可能である。また、例えば自分の好みを基にした議論を行う事は、自分のプレイグループの人々に好みを伝えたり、あるいは同じ好みを持つ人と知り合いになる機会を増やす(そして好みの会わない人を遠ざける)、という利点もある。

  2. 政治的意図を持ったプロパガンダ:端的にいうと「(私の好き嫌いを基に考えるならば)○○は○○であるべき。なのでこれを読むあなたはそれを認めるべきだ。」という話。宗教とか信念のような何か。しばしば「(私の好き嫌いを基に考えるならば)」の部分をはっきり言ってしまうと他の人が感銘を受けないので、権威に縋ったり詭弁を弄したりしてあたかも前提が一般的真実の様に装うことが行われる。その場合、議論の前提となる部分の客観的に装っている部分を攻撃して「それって単にあなたの好みとか信念に過ぎないよね」と議論することになる。一方で、議論の前提が好みや信念であるとはっきりしてるならば、単に好みや信念の衝突なので、先のカテゴリと同じになってしまう。要するに宗教戦争なので、勝つか負けるかの議論になるか、黙殺・無視するかしかない。

  3. 学術的な評論:xenothさんがこのコメントに『データを集めた検証を。検証前なら、反証可能性を前提とした、検証方法の提案とそのありうる結果に対する思考実験を。』と書いているように、(1) 議論の前提が客観的事実であるか、(2) 議論の前提が仮説であるならば仮説から客観的に導きだされた帰結が事実と矛盾しない事あるいは検証可能な予測を行える事、が必要。個人の好き嫌いを超えた客観性が求められる。

 で、ですね。「個人の感想や意見の発露」に分類される文章ならば、私は目くじらを立てないけど、同じプレイグループであるならば必要ならば相手の好みや意見を変えるべく努力したりする(だって自分の楽しい遊び方で遊びたいじゃん)。「政治的意図を持ったプロパガンダ」は、「前提が一般的真実の様に装う」のは非常にむかつくので批判する事はあるけど、好みなんだから仕方が無いと言われればそこから先は単なる布教合戦にしかならない。「学術的な評論」と主張する文書が、実は単なるプロパガンダに過ぎない事はしばしばあるので、例えばxenothさんとかが神経質になっているのではないかと推測してみたり。

● 価値観が衝突した時に

 まず抽象的に書こう:

 論者Aが「価値Aは大切なものだ」という主張Aをしたとしよう。論者Bは価値Bも大切だと思っているが、「なるほどAさんのいうことも正しいですね」と言ったとする。この時、論者Bは価値Bを否定する事に同意した訳では無い。価値Aも(価値Bもどちらも)価値があると言っただけだ。
 仮に価値Aと価値Bがある局面で、相反・競合・衝突したとしよう。論者Aのすべき事は価値Bを否定することが全てではないはず。価値Aと価値Bを両立する方法を探してもいいし、両者を止揚する価値Cを探すことかもしれないし、あるいは単に両者をほどほどで妥協する道を探す事かもしれない。


 というのは抽象的な話なんだけど、話としては納得出来るよね。

 ggincさんが、『もう一つ、あなたに出来ることがある。理論を守ることだ。
 誤解しないでほしいが、誰かの理論を守るとか攻撃するとか、そういう話ではない。理論を語ること、理論を論ずること、その営み自体を守るということだ。「私はあなたの理論に反対だ。しかし、あなたが自分の理論を提示する権利を、私は命をかけてでも守る」ということだ。』
と引用してる。「「価値A=理論を論ずる事」は大切だ」という主張Aは認めても良いと私は思う。あるいはまぁ、価値Aが正の価値を持つ事は認める。無駄にも害にもならんだろう。
 その一方で例えば、「○○という製品や、○○という遊び方は、単なるゴッコ遊びに過ぎず、理論で論ずる物ではない。理論を論ずる障害となるので、そのような遊び方は否定されるべきだ」とか仮に言い出すとしたら、私は多分反対するだろう。あるいは「私が○○を否定する理論(実はプロパガンダ)を書いた。それに対する反論をする人は、理論を論ずる事に反対しているのだ。」みたいな、大昔誰かが言ったようなことをまた言い出すのではないか、みたいな危惧を全く持たない訳ではない。
 理論を論ずるのは大事かもしれない。でも、理論に興味が無くて単にTRPGのプレイを楽しむだけ、という人も否定されるべきでない。あるいは理論の為に、誰かが楽しいと思っている事を否定するならば、そのとたんに「理論が好き」という前提に基づいた「個人の感想や意見の発露」のレベルでの意見の応酬にまで落ちてしまうといえる。

●まとめ

 TRPGを社会学の対象にするのは素晴らしい。頑張って下さい。
 でも、その目的の為にある特定の遊び方を否定するようなことが、もし万一あったら嫌だな、という話。まぁ過去の経験に基づいて恐れをなしての過剰反応とか杞憂と思ってくれて良いです。
 最近は、ggincさんとxenothさんの議論は読んでいて興味深く思うので、これからも注目して行きたいと思っているし、気が向けばこんな感じでコメントしていきたい。

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2008/03/12

[RPG] Free RPG for Beginners 

[RPGs]教材としてのD20・SRS @ GOD AND GOLEM, Inc.

『「個人利用」の範囲でフリーでまわして配布できるD&D簡易版みたいなシステムを作って、D&D3.5版3冊(2万円相当)を買う金がない子供たちにTRPGの面白さの基礎を伝えられるGMがいたら、既存システム全体の売り上げもだいぶ変わってくるんじゃないですかね?』

 入門用RPGとか子供に布教する話とかは、以前[RPG] Re: Decrease of TRPG Circles Attending Comiket に、『例えば中学校の図書室とか図書館と児童館とかにCorerule3冊を寄付するとか。長い目でみればプレイ人口の増加には繋がると思うんだけど』とか書きました。

 ネット上で公開されている商用水準の無料TRPGについてはフリーシステム;電脳空間のルールブック達 @ VANAHEIMに良く纏まっています。

 あと、D&D4版が出るのは良い機会だと思うので、真面目にWotCにSRDの4版の翻訳許可を貰うというのはどうだろう?
 まぁ、3版、3.5版の場合、経験値とレベルの対応表がSRDに無いなど、SRDだけで遊ぶには多少困難も無くはないし、Hobby Japanが4版の翻訳を行うつもりでいると、差し障りが出るかも。(あるいは、翻訳チームの人とか、参加しにくいかもね。)
 あと、SRDは結構分量が多いのだよね。対象年齢が何歳なのか判らないけど、何百ページものルールを読ませるのはかなり厳しいのではないかしらん。例えばパワープレイとかぐらいの軽めのゲームシステム(背景世界は無いが)でいいんじゃなかろうか。それともしっかりした背景世界が必要?
#勿論、背景世界云々をいうならば、13世紀ヨーロッパの世界史の勉強を兼ねてArs Magica 4版、というのもあるが、まぁ入門向けRPGとしては勧められん。翻訳はやっていた人達がいたはずなんだけど...。

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無料だからこそいいものを @ xenothの日記

『D&Dに限らなければ、入門用という位置づけの文庫TRPGが1000円以内のが全国の書店で買えます。
今の日本においてTRPGは、そこまで高いものではないので、無料システムというのが、単に導入コストを減らす、というだけなら、画期的な価値はないでしょう。
無料でつまらないものよりは、千円払って面白いもののほうが良いということはあります。』


 うーむ、最近の子供にとっては千円は端金なんだろうか? 文庫RPGの値段を超えると普及は難しいと思うので、文庫の良いものを薦めるというのは判らなくは無い。
 でも、無料というのは価値があるかもしれないよ?例えば顧問の先生が財布を痛めずに済むかもしれない。プリントアウトして人数分コピーを取るところまでは先生にとってはOKかもしれないから。その場合、ページ数の少ないRPG(上述のパワープレイとか、あるいはスターターセットの類)が望ましい。

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 そういえば、日本だとWarhammerとか、どういう人々を客層としているのだろう?
 Commonwealth諸国(英連邦な国々)の大都市には必ずあると言って良いGames Workshopの店には、小学生の子供が数人程度屯して、アルバイトの高校生だか大学生だかの指導のもと、ミニチュアに塗料を塗っていたりするのを旅行の際に良く見かけた。大きなお兄さんが遊んでくれる、という感じであり、ある種の託児所的な役割を果たしているのかもしれないなぁ。部屋を汚さないという意味でも、塗装は自宅外でやってくれたほうが、親も喜ぶに違いない。

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2008/03/04

[RPG] Controversy about Gaming 

xenothの日記

 相変わらず興味深い考察が投稿されている。最近は主としてGOD AND GOLEM, Inc.の記事への批判的記事が多いようだ。
 で、私は概ねxenoth氏の言っている事に賛成。
 いわゆる「馬場理論」なるもので思考停止気味な人には是非読んで頂きたい文章、と思うのだが。

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2008/02/01

[RPG][ArM] DAS and DIP Character Development 

 以前書いた [ArM] Introduction for ArM Character Generation に関連して。(楽士の呟きでの紹介ありがとうございます>Regulusさん)

 rec.games.frp.*あたりで使われる用語にDASとDIPというものがあります。意味はThe rec.games.frp.advocacy FAQを見てもらえば判りますが、
DIP: "Develop-In-Play", referring to players who only have a rough character sketch which is only filled out during the campaign
DAS: "Develop-At-Start", i.e. players who write a detailed character background/personality by the time the campaign begins
という意味。

 Ars MagicaはGURPSなどと同様に典型的なDAS指向のRPGです。Personality Flawとかで性格的欠点を決め、Story Flawとして将来立ち向かうべき障害を決めます。
 [Theory] A summary of rgfa theoryのDASの項には、"In addition, there are groups where it is assumed that Real Roleplayers Write at Least Ten Pages of Background Beforehand and If You Don't You Must be a Hack-and-Slasher With No Character Depth." と書かれているけど、まぁ確かに「Ars MagicaとはそういうReal Roleplayer指向で非Hack-and-Slashな人々が遊ぶRPGである」と、少なくともArM-MLに集う人々は思っているようです(その割に戦闘ルールとかマンチキンな追加ルールに満ちていたりして矛盾を感じる事も多いけど)。
 でも、10ページはともかくとしても、複数のVirtue/Flawに関連をつけて背景設定をでっち上げたり、Story Flawに絡めたNPCや師匠のmagiや出身コブナントの設定を考えたり、Story FlawやMagiとしての大目標など将来のsagaの展開希望を書いたり、他PC/NPCとの人間関係を書いたり、他のPCの設定を読んで自分のPCとの関係を再調整したり、などなどしてると簡単に数ページは埋まるような気もします。
 なんというのかな、なりきりとか「いわゆるキャラクタープレイ」とは違う。どちらかというと、PLから積極的に世界設定構築に関わる様な感じなのかなとも思う。

 あるいはそういった設定とか物語を指向した話ではなく、ゲーム的な側面に目を向けてみましょうか。
 普通にキャンペーンを始めるとして15年の徒弟期間を終えたばかりのmagiを作るとすると、大雑把に言って360ptをability, art, spellに割り振ることになります。そのうち90ptが必修科目であり、270ptは自分のPCの得意分野を作るべく割り振る事になります。270ptというのは標準的な成長速度を考えるならばゲーム内時間9年に相当します。
 これを長いと思うか短いと思うかは参加するsagaのペースによりますが、最初に割り振ってしまったptの影響はかなり大きいです。例えて言うならば、再訓練のルール無しでD&D3.5eのキャラメークをするようなもので、1Lvの時にClass, Feat, Skillの取り方を間違えてしまと途方に暮れる様な感じかと。

 個人的には、Ars MagicaのキャラメイクのDAS指向であることが、プレイへの敷居の高さを生んでいるという気もする。DIP指向のPLにとっては、キャラメーク時に何もかも決められるものか、という気もしているんじゃないかなぁ。
 天羅万象の因縁とか深淵の運命とか、長く遊ぶ間に書き換えというか変化して行く事が期待されるルールになっている。でもArs MagicaにはFlawを書き換えるルールというのは無い。25歳でmagiとしてデビューして長生きすればそこから100年生きているかもしれないのに、20代で恋人と死別して得たLost LoveのFlawを一生抱えて暮らす、ってのはどんなものか。

 そういう意味では、Story Flaw, Personality Flawは例えば10年程度の歳月と然るべきシナリオイベントを通じて解消するルールとかを作るといいのかもしれない。で、Flawのスロットが空けば新たなFlawを取得でき、それと対にして新しいVirtueを取れるとか。
 そうすれば、最初のキャラメーク時に全てのHermetic Virtueを決める必要がなく、徐々にそれらを増やしていける、みたいな。

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2008/01/13

[RPG][d20] Simple Combat Resolution Rules by Ryan Dancey 

Grab dice, roll dice! @ RSDancey On The Web

 Open Gaming Licence推進者として有名なRyan DanceyのBlogより。
 彼が考えた戦闘ルールというのが書かれていて楽しそうなので紹介。感じとしてはd20 RPGをベースに、T&T風のダイスじゃらじゃら+「Aの魔法陣」の成功要素集め、みたいな感じなのかな。緻密なtactical combatとは無縁なので、Power gamer向けではない。

---
 PLたちはdice poolを作る。これがパーティ戦力となる。
 敵側もパーティ戦力ダイスを作る。
 これを振って、比べて、大きかった方が勝ち。

 但しこれにロールプレイの要素を加える。こんな感じで、何かを犠牲にビッドを行う:
 何をどう犠牲にすると賭けをしたら、どのくらいボーナスが貰えるかは、お互いに話し合って決めるとする。

 敵に勝っても、敵からアイテムを奪える訳ではない。例えばシナリオのキーアイテムを敵から得る為には、敵がそのアイテムを賭けの代償に出してくるか、あるいは出す様に相談するかということになる。
 そして自分のPCの死と引き換えに相手に賭けを強いる事 --- 「私が勝ったらその鍵を貰う。負けたら私のPCは死ぬ。」 --- が出来る。

--- 
 簡易戦闘ルールとしてはどんな感じかな?

 各プレイグループ毎に、どのぐらいの犠牲を差し出せばどのくらいボーナスを得るか、のガイドラインが必要になる/形成される必要があるだろう。
 PLに求められる事は、犠牲に差し出せるアイテムを多数持つ事なんだろうか?(笑)。パーティと敵の戦力ダイスを眺めながら、勝ち目が出るまで、戦闘シーン描写を演出し、こういう工夫をするのでこれだけボーナスが欲しい、を提案する。そうする事で、戦闘状況を描写したり、ロールプレイを行ったり出来る。

 私がルールに追加するとしたら、賭けの代償に差し出すリソースというのはアイテムとか能力に限る必要は無いと思うのだ。キャラクターの背景設定というのもリソースとして考えて良いというのが、「天羅万象」などのRPGで我々が学んだ事でもある。「5年前の戦いで儂は逃げた。しかし此度は儂は逃げたりせぬ。」とか言って、「後悔:昔、仲間を見捨てて逃げた」とかをリソースに賭けをしてもいいのかもしれない --- その場合、勝ったら後悔を払拭し、負けたら逃げる事を恥と思わなくなるとかで、どっちにせよ設定が無くなるのかな?。
 「勝たねばならないという想いの強い方が勝つ」というのが、ある種のドラマ指向RPGの世界法則だとしたら、そういう要素を付け加えてもいいのかもしれない。

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2008/01/12

[RPG] Re: Social Network of RPG Designers 

 [RPG] Social Network of RPG Designers への追記

 TRPG史の初期に関しては、地理的に同じ場所にいることが重要だったと考える。初期のD&D関係者はLake Genevaの仲良しクラブの面々だった訳だし。

 多分ある時期から、地理的重要性は薄れて行く。USENETとかの上に作られたMailing Listとかがファンのコミュニティとして発達して行くから。少なくともGlorantha, Ars Magica, ShadowrunなどではBERKLISTと呼ばれるMailing Listシステムが活発に活動していたはず。
 往時の状況に関して、例えばShadowrunとかだと、Dark Load on HighことTom DowdがML上でQ&Aを答えていたとか、NERPSなどのnetbookが作られたりとか。もう当時の記事を探すのは難しいのだけど、BERKLISTの活発な発言者→FASAがライターとして登用みたいな流れがあってもおかしく無い様な気がする。
 Ars Magicaに関しては、BERKLIST→大手ArM同人誌(前だとHermes' Portalとか今だとSub Rosaだとか)に投稿→Atlasから原稿依頼、みたいな感じが続いてる。
 D&Dの場合は、登竜門的なDungeon誌へのシナリオ投稿というのがあるんだけど、Greyhawkなんかネット上のコミュニティが存続に果たした役目は大きいんじゃないかな。World of Darknessとかは良く解らない。

 日本の場合はどうなんだろう?初期(ネット以前)は地理的な繋がり(例えば大学のサークルとか)が重要なはず。ある時期から、例えばEXCELネットとかNiftyとかパソコン通信で人を分類出来るかも。

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2008/01/11

[RPG] Social Network of RPG Designers 

TRPG研究 @ まりおんのらんだむと〜く

TRPG史 がシステムの発展史であるとするなら、できるかぎりのシステムをリストアップし、その製作者・出版社で時系列に分類、製作者のあいだの関係(同じ大学出身、同じサークル出身など)もふくめ、それぞれシステム間の影響をまとめると、全体が俯瞰できていいかもしれませんね。(日本/海外含め)

 Atlas Gamesの2007/12の記事の"ArM5 Analyzed!"という記事は、ArM5のルールやサプリで一緒に仕事をしたかどうかの情報を元に、social networkを分析しようとした試みです。分析結果は結果GIF画像みたいに書かれているが、まぁこれ自体はさほど印象的ではないかも。

 で、プログラミングが得意でかつ暇な人がいたら、これをArM5だけじゃなくて他のRPGに対して行うと良いと思うのだ。

 Pen & Paper RPG DatabaseというWebsiteがあって、部屋の中から古い海外RPGの現物を探すのが面倒あるいは不可能(持ってないとか)な時に書誌情報を調べるのに重宝している。ここは著者や製品ラインとかからサプリとかを検索出来る様になっている。情報は一定のフォーマットで提示されているので、原理的にはそれらを自動的に解析するプログラムを書けばいいはず。
 そうやって情報を集積してネットワーク解析したり、「出版社:Green Ronin Publishing」とか「製品:TORG」とか「年代:1995-2000」とかで抽出してネットワーク上で色分けしてみたりとか、楽しめそうな気がするんだが。
 勿論、サイト管理者に素直に理由を話して、RDB上のデータを分けてもらう方が簡単かつ正道という気はする。本格的にするならば、多分そうすべきなんだろうな。

 まぁそこまでしなくても、このWebsiteは見ているだけで楽しい。誰かゲームデザイナーを一人選んでそのページを見ると、その人の業績が一覧になって見える。例えばWotCのDirector of RPG R&Dなんて地位に上り詰めたBill Slavicsekとか、West End Games製品→TSRの製品→WotC内で出世、みたいな個人史が伺える。誰々のデヴュー作て何々なのか、とか判る。
 国産RPGについて、同様に機械処理が可能な程度に一定のフォーマットで書誌情報を公開しているサイトはあるかなぁ。

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2007/12/22

[RPG] What is Roleplaying? 

ロールプレイは演技するという意味です @ xenothの日記

 最近話題によく取り上げられる事の多いxenothさんのblog。興味深い議論が展開されており、お薦め度は高い。

 で、この記事では、コスティキャンのI Have No Words & I Must Design馬場秀和氏らによる翻訳の誤訳について問題提起している。
 うーむ、NiftyのFRPGMの人たちは、少なくとも翻訳はちゃんと翻訳する人たちだと思っていたんだけど、こういうのがあると超訳呼ばわりされても仕方がないかもしれないなぁ。
 翻訳するのに費やされた労力に鑑み、たった数行を改竄(意訳とは言わないだろう)してしまったことによって価値が下がったことを考えると、なんか色々残念な気分です。でもまぁ、10年以上も影響力を及ぼし続けた事を考えると、充分元は取れたのかな?

 

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2007/11/29

[RPG] Lack of Surprise 

2007-11-25-Sun @ Tales of the Dragon's Tale

この一、二年、GMとしてわたしが悩んでいることは、セッションでの意外性のなさだ。
シナリオがシナリオに想定してある通りに進んでしまうことへの物足りなさ、ことがスムーズに運んじゃうことへの不満感だ。


 あー、私も同じことを考えていたなぁ。[Link] Delights of GMingに、そんなことを書いた。
 最近私はPL専門なんだが、意外性を提供出来ているだろうかと自問してみたり。

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2007/11/16

[RPG] Give me Kirkliness, or let me know what happens if my PCs fails. 

プレイヤーフレンドリーなマスタリングとは (副題:PLの【判定結果想定】不足にGMは警告しよう) @ ブレカナシナリオ倉庫

 『「失敗したらどうなるのか」「成功の確率はどれぐらいであるか」を知らないまま、PLが判定を行うこと』に問題がある、と上記論考で述べられている。これについては私も同意するところ。
 私の印象では、 成功の見込みとか失敗時のリスクについて述べないのは、得てして古参D&Derだという気がする。トラップの驚きとかを大切にしているとも取れるし、単にPCを虐殺したがっているだけに思える時もある --- 特に自分のPCが酷い目に遭う時は。

 ゲームシステム的には別のアプローチも取れる。Rolemasterだと、例えば急斜面を登るとかなら、GMは斜面の難易度を予め指定するだけで、PLは自分で表を見て、成功確率も失敗した場合のリスクも読み取れる、といえる。(成功失敗も、無傷で登る/落ちて怪我、の2値じゃなく、予定時間の70%増しの時間がかかった、のような結果も出る)
 単にルールが難しいゲームだというよりは、成功失敗の中間段階をルール的に上手に表現出来ているゲームだともいえる --- まぁ最近じゃ遊ぼうと思っても難しいゲームではあるけど>Rolemaster。

 ゲームシステムというよりはマスタリング方法として、There Is No Tryという文章でKirklinessという概念について述べている。これを書いたのは、Jonathan Tweet。Ars MagicaやOver the EdgeやEverway、D&D 3.0版などに関わったゲームデザイナーだ。
 この文書によれば、「昔のスタートレックにおいて、カーク船長は悪漢に銃を突きつけられている時は無理に脱出したりしようとして撃たれたりしない。しかし試みた時は常に成功する。」みたいなことが書いてあって、どういうことかというと、「行為判定して失敗した」という状態は、「PCが何か失敗した(悪漢の銃を振り払おうとして失敗して撃たれた)」という状態が起きたのではなく、「PCは何かしようとして失敗するのが判ったので試みなかった(振り払う隙を見つけられず、何も出来なかった)」と解釈するということだ。例えば、崖を登って落ちて怪我をするのではなく、落ちそうなので登れなかった、みたいな。

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2007/10/30

[RPG] RuneWars Wiki 

Rune Warsへの招待 @ ルーンウォーズ wiki

RuneWars ルール公開+セッション告知 @ まりおんのらんだむと〜く経由

 どうやら冬コミ合わせ(推測)の公開は無くなったらしいのですが、執筆途中ではあるもののルール自体は出来ているとのことで、ルールのWikiが公開されています。
 私もグローランサは好きで、昔はRQ3は良く遊んだ。HeroWarsはちょっとだけ出資したり紹介記事を書いたけど、なんとなくルールの出来が悪く感じてほとんど遊ばず、以後のHQとかMoongooseのとかには手を出してなかったり。なので、最近のグローランサ知識が不足しており、RuneWarsもなんか敷居が高くて遠巻きに眺めていた。

 実際に公開されたルールを読んでみると、なかなか不思議な感じのルールになっていて面白い。

 数学的用語に満ちているのはそれはそれで個人的には面白く感じるのだけれど、TRPGのルールとして誰にでも読んで貰う文章には成ってないかもしれない。まぁ遊ぶに際してはその辺は無視して良いのだが。

 グローランサ知識も割と要求される様に見える。
 「第0要件:ルーンウォーズは、グローランサを(未体験の人を含めて)より多くの人に広く知って楽しんでもらうために作成される。」というのが目標に掲げられているが、記述の多くはHW/HQを持ってないとピンと来なかったり、色々HQを前提にしている様に見えたり、難しいかも。
 実のところ、ルーンウォーズコアメカニズム草案とかに書かれている、ガンダムを例にとってのたとえ話の辺りとかが、何をデザインしたいのかが端的に書かれていて面白いとも思った。
 そういう意味では、別にグローランサを背景世界にしないで別の背景世界、例えばユルセルームとかガンダムとか、を舞台にしてもゲームシステムは説明出来るよなとも思った。D&D的な背景世界とかでも、epicなルールとかまで含めた感じで扱えばRWな雰囲気になるかなぁ。

 国産海外同人商用をひっくるめて、現時点のstate-of-the-artなTRPGルールだとは思うので、是非覗いてみる事をお勧めする。ただ、駒場祭(だよね、11/23,24って)までに理解出来るかというと難しいかもしれんなぁ、と自分では思ったり。
 あと、例えば最近のゲームシステムとかでいうと、「Aの魔法陣」とかと比べて誰か議論してくれないかなぁ、とか思ったり。

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追記:2007/11/02

関連する記事として、
[trpg] Rune Warsがすごい件 —物語論準拠のTRPG— @ ブレーキをかけながらアクセルを踏み込む
RuneWars wiki についての感想いただきました @ まりおんのらんだむと〜く
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追記:2007/11/04
緩和判定について(お返事) @ まりおんのらんだむと〜く

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2007/09/29

[RPG][D&D] What We Expect on D&D 

出来すぎたRPG @ 氷川TRPG研究室

『一方 D&D の方は赤箱の頃からのつきあいでよく知っているし,何より 3版/3.5版はルールの整備が行き届き,体系だった作りになっているせいで,逆に「わくわく感」は削がれてしまっています。
それは知っているモンスター,知っている呪文,知っている特技,というにとどまらず,たとえ知らないモンスター,知らない呪文であっても,既存のモンスター,呪文,特技の枠の中には収まっているはず,という妙な安心感に結びついています。
そしてさらに悲劇的なのは,その枠からはみ出る存在は「なんだそれは!」という驚きに繋がるのではなく,「なんだその狡モンスターは!」という,バランスの悪さとかルールの不出来として捉えられてしまう点でしょう。』


 普通のTRPGerにとって、D&Dは「PLもDMもルールの枠をきちっと守って、その範囲内で知力を尽くす」的なTRPGだと捉えているという事なんじゃないかな?少なくとも私にとってはそう。なので、ルールの枠を外れたとたんにフェアネスが失われた気がして、それが失われたことに対する不満は、不思議さの欠如への不満を大きく上回る。

 勿論、D&Dしか遊ばない人とか、どんなタイプのシナリオでもD&Dで遊んでしまう人とか、そういった人々が今も(つまりD&Dしか無かった大昔ではなく)いるのは確か。そういう人々が、狡モンスターを出したり、1版だか2版だかの呪文をNPCに唱えさせてみたり(DM、私も3.0eのHasteを唱えたいです)、「素直にローズとか深淵とかで遊んだ方がいいのになぁ」みたいな幻想的なシナリオをD&D3.5eで実装したりするのではないかなぁ。2-3Lv PC用シナリオの為に、wishを数回使わないと起こせない様な大規模超常現象を起こすNPCとか、他のRPGはともかくD&Dだとなんか納得がいかなかったりするんだが。

 Ars Magicaは、本当はルールの枠を超えた不思議を許容するRPGだと思うんだが...が、妙にルール細かいのだよな。細かい割に、最後は各troupeに任せる、みたいな投げっぱなし感があるのが不満であり、それら世界観の空白部分的なところはサプリメントやシナリオで補うしか無いのだろうなぁ。

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2007/09/24

[ArM][RPG] Re: Where is the Resolution Point? 

先の、[RPG] Where is the Resolution Point?へのコメントへの返答。見やすさを考え、別エントリで。

 コメントありがとうございます>Regulusさん。

 「交渉や社会活動に関するルールサポートが弱い」については、必ずしもルール化(ゲームシステム)として定式化する必要は無い --- 先の評論では、交渉や社会活動がシナリオのメインならば手段をルール化すべきだ、ということになっていたけど --- とは思うんですね。うまくルールに落とせないならば例示 --- ready-to-run なシナリオ(例えばShadowrunとか良いものを出していた)とか、サプリメントとしてシナリオフック集を出す(ArM4とか結構出てた)とか、充分複雑な背景設定を提示する(ICEのMERPのサプリとか)--- という方法もあるはず。AD&DのBirthrightとか、ルールは所詮AD&D+αでしかなかった訳ですが、それなりに領国経営気分が味わえた。

 「社会活動においてそれに当たるのが Gift や OoH 」ですが、Social Contactに関するルールが弱いというか、キャラメイク時にPLが重要性に気付きにくい(よりマンチキンなvirtueに心が奪われてしまいやすい)というのが良くない様な気がする。
 例えば Social Contactのvirtueとか、Reputation を得られるvirtueとか、Temporal Influence のvirtueとか、あまり取る人いないよなぁ、とか思っていたり。キャラの立ち位置とか有利な活動領域とかが決まってお薦めだと思うんだけど。
 Order内の魔法的課題だけを解決するmagiを遊ぶキャンペーンだというならば、魔法能力だけ卓越していればいいんだけど、そうでないならばOrderの外と関わるはず。そこが充分強調されてないから、magiを作る際に考慮が及ばなすぎるのではないかなぁ。
 ちょっと関係無いかもしれないが、製造業とかでも研究開発の人材以外に総務やら営業やらと言った人々の方がずっと多い訳で、コブナントのmagiは対人交渉駄目駄目なんだから、本当はmagiの代わりに問題を調査し、魔法的課題だけを明確化したところでmagiに話を持ちかけるべきなんだよね --- つまりTRPGとしては、寧ろmagiをNPC化し、magiが出てきて魔法を唱えるまでを遊ぶRPGにした方がいいのかもしれん。

 何が良いシナリオソースか、というのは人によって違うというのは勿論あります。例えばD&Dとかだと「このmonsterが出るシナリオを作ろう」「このwizard spellやmagic itemをネタにシナリオを作ろう」みたいなのが出来るのが、多分良いD&Dに向いたDMで、そういう人にとってはmonster manual, spell compendiumが立派なシナリオソース。私はそういうのはたいそう苦手で、あまり良いDMでは無いという自覚があって、地域サプリとかが無いとシナリオが作れないし、逆に言うと大量のそうしたシナリオソース(AD&D時代の大量のFRサプリとか)が有るからこそD&Dに手を出したといえる。
 Ars Magicaに関しても、サプリの追加Hermetic Virtueを見て「このVirtueを持ったmagiを敵に出そう」みたいなことを考える人はいるのだろうな。そういう人にとっては、追加ルールサプリも充分なシナリオソースなんだろうなぁ。

 「『深淵』の夢歩きみたいな、各人から合法的に短い語りを入れられるような奴」については同感。夢歩きは、積極的なPLがいる環境では大変良いルールですよね。そういう意味では、Whimsy Cardsを一緒に使うのが正しいのかも>Ars Magica。でも入手無理だしな〜>Whimsy Cards。
 Virtue/Flawが固定的で頻繁に書き換えられない、ルール的に重い存在として定義されているというのもStory Flawの弾力的な運用を阻害しているかも。深淵の縁故や、天羅の因縁みたいに、プレイ中にどんどん書き換えて行くぐらいで良いかとも思うんですよね。Magiは長生きなんで長い一生を同じStory Flawを抱えたままというのがそもそも無理がある。
 「地の文」は別に悪くないと思います。心の中の葛藤を地の文以外で上手に表現出来るならば脚本家か役者になった方がいいんじゃとも思うし(笑)、定番の焚き火を囲んで自分語り大会モードというのも、演劇的才能に乏しいPLにとって良い工夫だと思うんだけど。

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2007/09/22

[RPG] Where is the Resolution Point? 

手段をルール判定するか、目的をルール判定するか:(・_・) @ 紙魚砂日記

『「手段」部分を戦闘ではルール判定し、ここを遊ぶことをゲーム的に「主」であると考える』
『その主流部分の対立項として(情報収集は枝葉末節部分だから)「1発判定で『***について調べます』で処理してしまう」という処理をする』
と書いていて、実に要領よくゲームデザインというかマスタリングというかについて纏められていると思います。お薦め。(文章の後半が無い方が明確な文章かもしれんが。)

 ゲーム的に戦闘が主であるならばそこは詳細に攻撃やダメージや戦術を表現出来る様にルール化する。一方で、情報収集はメインでないならば一発の判定で簡潔に処理する...D&Dとか概ねそんな感じ(Gather Informationで判定)なんだけど、高レベルになると情報収集手段がdivination spellとかが増えてきて厄介になるというか、あるいはまぁ呪文一発で解決するので簡単というか。RuneQuestも神託とかあるんだけど概ねGMは「喜びなさい、戦は近い」とか役に立たない戯言ばかり...。

 「ゲームセッションの主眼がどこにあるのか?どこをゲーム的に処理すべきなのか?」という箇所の事を、英語のRPG関係の評論文では "resolution point" と言います。多分、Gleichmanの "Definition of Gamism" という文章を読むといいんだろうけど、なんか検索しても見つからない。一応、Play Flow First / The Impossible Dream @ RPGnetにもresolution pointについて引用されてます。
 この手の話に興味のある人はその辺の文章もあたってみるといいかも。

 で、最近は何でもとりあえずArs Magicaに照らして考えてみるのですが。

 PL層が13世紀リアリティ厨とか(自称)Real Roleplayerに満ちているArs Magicaではあるんだけど、なんか妙に戦闘ルール(ケルターメン含む)だけが充実していて、交渉や社会活動に関するルールサポートが弱いのだよね。交渉関係のAbilityの数が少ないとかそういう話では無くて、ルール通り判定すれば、あるいはルール的に有利な様に振る舞うと、ちゃんと13世紀的な感じになる、みたいな要素が無い。例えば神への信仰心の場が魔法を阻害するルールはある(それは中世的なものを再現するためらしい)んだが、個々のmagiがどういう信仰心を持っている(含む無神論)べきか(あるいはより中世っぽいのか)についてはあまり記述が無い様な。
 あるいはルールの充実度から考えると、ArMでもdungeon bashing(単にD&Dのシナリオ間時間が呪文書を作ったりscrollを書くため数日〜数週間なのが、Lab Workが数ヶ月〜数年に伸びてるだけの違い)を遊べということなのかなぁ。それは嫌だなぁ...。

 ArM5はArM4に比べるとルールは明確になっていいとは思うんだがフレーバーが少し弱いかもと思わないでもない。良くも悪くもd20が流行っていた時期のRPGということなのかなぁ。とはいえ次のサプリは地域本なんで、徐々にフレーバー分も増えつつあるのだろうか。

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