2007/09/29
[Movie] Offside
オフサイド・ガールズ 公式サイト
Offside (2006) @ IMDB
Offside @ EMPIRE Review
イラン映画のコメディ。上映時間も長くなく、簡潔で良い映画です。EMPIRE Reviewでは星4つと高い評価。お薦め。
イランではもちろんサッカーは国民的スポーツ。でも、女性がスタジアムで男性の行うスポーツを観戦するのは違法行為。で、2006年のワールドカップ予選リーグの試合がテヘランで行われるとなれば、男装してでもスタジアムに潜り込むしかない...。
という訳で、「手に負えない感じのサッカーファンの少女達 vs. 逮捕したもののどう扱ったらいいか判らず困惑する兵士達」のユーモラスな状況が大変おかしいコメディでした。女性なので逮捕するんだけど、一方でイスラム圏なんで「女性にはやさしくしなくちゃ、女性は守ってやらなくちゃ。そういうの慣れてないから困るんだけど」みたいな感じが、欧米や日本とずれているんだよね。その辺りのアンバランスさが妙におかしい。サッカーへの愛と現場指揮官の可哀想ぶりが英国人の共感へと繋がり、高い評価なのかねぇ>EMPIRE。
もちろん、イスラム圏での女性抑圧とかと絡めてこの映画を論じることは可能とは思う(個人的にはトルコみたいに政教分離が進んだ方が望ましいとは思う>イラン)。米国の政府にとっては次の侵攻予定先でもあるので、最近はテロリスト支援国家ということにしたいようだよね。日本でも米国の意向を受けて次第にテロリスト国家扱いされていくのかもしれんし、戦争になれば最後はテヘランを空爆するんだろうなぁ。
でもまぁ、この映画を観たあとでは、戦争相手とするほどの敵愾心を抱くのは難しいのではないかな。そう思わせるだけのテヘランの等身大の人々の姿が描かれていると思う。そういう意味では、本当は米国人に観て考えて欲しい映画。
日本で上映されるイスラム圏の映画というと割と真面目な映画がこれまで多かったんだけど、最近はトルコのアクション映画「イラク -- 狼の谷 --」が上映されたりなど、徐々に変わってきているのかな?良質のコメディは常に歓迎だ。
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Offside (2006) @ IMDB
Offside @ EMPIRE Review
イラン映画のコメディ。上映時間も長くなく、簡潔で良い映画です。EMPIRE Reviewでは星4つと高い評価。お薦め。
イランではもちろんサッカーは国民的スポーツ。でも、女性がスタジアムで男性の行うスポーツを観戦するのは違法行為。で、2006年のワールドカップ予選リーグの試合がテヘランで行われるとなれば、男装してでもスタジアムに潜り込むしかない...。
という訳で、「手に負えない感じのサッカーファンの少女達 vs. 逮捕したもののどう扱ったらいいか判らず困惑する兵士達」のユーモラスな状況が大変おかしいコメディでした。女性なので逮捕するんだけど、一方でイスラム圏なんで「女性にはやさしくしなくちゃ、女性は守ってやらなくちゃ。そういうの慣れてないから困るんだけど」みたいな感じが、欧米や日本とずれているんだよね。その辺りのアンバランスさが妙におかしい。サッカーへの愛と現場指揮官の可哀想ぶりが英国人の共感へと繋がり、高い評価なのかねぇ>EMPIRE。
もちろん、イスラム圏での女性抑圧とかと絡めてこの映画を論じることは可能とは思う(個人的にはトルコみたいに政教分離が進んだ方が望ましいとは思う>イラン)。米国の政府にとっては次の侵攻予定先でもあるので、最近はテロリスト支援国家ということにしたいようだよね。日本でも米国の意向を受けて次第にテロリスト国家扱いされていくのかもしれんし、戦争になれば最後はテヘランを空爆するんだろうなぁ。
でもまぁ、この映画を観たあとでは、戦争相手とするほどの敵愾心を抱くのは難しいのではないかな。そう思わせるだけのテヘランの等身大の人々の姿が描かれていると思う。そういう意味では、本当は米国人に観て考えて欲しい映画。
日本で上映されるイスラム圏の映画というと割と真面目な映画がこれまで多かったんだけど、最近はトルコのアクション映画「イラク -- 狼の谷 --」が上映されたりなど、徐々に変わってきているのかな?良質のコメディは常に歓迎だ。
Labels: Movie
[Misc] Armors for Animals
(0) comments (Use this new comment link)[RPG][D&D] What We Expect on D&D
出来すぎたRPG @ 氷川TRPG研究室
『一方 D&D の方は赤箱の頃からのつきあいでよく知っているし,何より 3版/3.5版はルールの整備が行き届き,体系だった作りになっているせいで,逆に「わくわく感」は削がれてしまっています。
それは知っているモンスター,知っている呪文,知っている特技,というにとどまらず,たとえ知らないモンスター,知らない呪文であっても,既存のモンスター,呪文,特技の枠の中には収まっているはず,という妙な安心感に結びついています。
そしてさらに悲劇的なのは,その枠からはみ出る存在は「なんだそれは!」という驚きに繋がるのではなく,「なんだその狡モンスターは!」という,バランスの悪さとかルールの不出来として捉えられてしまう点でしょう。』
普通のTRPGerにとって、D&Dは「PLもDMもルールの枠をきちっと守って、その範囲内で知力を尽くす」的なTRPGだと捉えているという事なんじゃないかな?少なくとも私にとってはそう。なので、ルールの枠を外れたとたんにフェアネスが失われた気がして、それが失われたことに対する不満は、不思議さの欠如への不満を大きく上回る。
勿論、D&Dしか遊ばない人とか、どんなタイプのシナリオでもD&Dで遊んでしまう人とか、そういった人々が今も(つまりD&Dしか無かった大昔ではなく)いるのは確か。そういう人々が、狡モンスターを出したり、1版だか2版だかの呪文をNPCに唱えさせてみたり(DM、私も3.0eのHasteを唱えたいです)、「素直にローズとか深淵とかで遊んだ方がいいのになぁ」みたいな幻想的なシナリオをD&D3.5eで実装したりするのではないかなぁ。2-3Lv PC用シナリオの為に、wishを数回使わないと起こせない様な大規模超常現象を起こすNPCとか、他のRPGはともかくD&Dだとなんか納得がいかなかったりするんだが。
Ars Magicaは、本当はルールの枠を超えた不思議を許容するRPGだと思うんだが...が、妙にルール細かいのだよな。細かい割に、最後は各troupeに任せる、みたいな投げっぱなし感があるのが不満であり、それら世界観の空白部分的なところはサプリメントやシナリオで補うしか無いのだろうなぁ。
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『一方 D&D の方は赤箱の頃からのつきあいでよく知っているし,何より 3版/3.5版はルールの整備が行き届き,体系だった作りになっているせいで,逆に「わくわく感」は削がれてしまっています。
それは知っているモンスター,知っている呪文,知っている特技,というにとどまらず,たとえ知らないモンスター,知らない呪文であっても,既存のモンスター,呪文,特技の枠の中には収まっているはず,という妙な安心感に結びついています。
そしてさらに悲劇的なのは,その枠からはみ出る存在は「なんだそれは!」という驚きに繋がるのではなく,「なんだその狡モンスターは!」という,バランスの悪さとかルールの不出来として捉えられてしまう点でしょう。』
普通のTRPGerにとって、D&Dは「PLもDMもルールの枠をきちっと守って、その範囲内で知力を尽くす」的なTRPGだと捉えているという事なんじゃないかな?少なくとも私にとってはそう。なので、ルールの枠を外れたとたんにフェアネスが失われた気がして、それが失われたことに対する不満は、不思議さの欠如への不満を大きく上回る。
勿論、D&Dしか遊ばない人とか、どんなタイプのシナリオでもD&Dで遊んでしまう人とか、そういった人々が今も(つまりD&Dしか無かった大昔ではなく)いるのは確か。そういう人々が、狡モンスターを出したり、1版だか2版だかの呪文をNPCに唱えさせてみたり(DM、私も3.0eのHasteを唱えたいです)、「素直にローズとか深淵とかで遊んだ方がいいのになぁ」みたいな幻想的なシナリオをD&D3.5eで実装したりするのではないかなぁ。2-3Lv PC用シナリオの為に、wishを数回使わないと起こせない様な大規模超常現象を起こすNPCとか、他のRPGはともかくD&Dだとなんか納得がいかなかったりするんだが。
Ars Magicaは、本当はルールの枠を超えた不思議を許容するRPGだと思うんだが...が、妙にルール細かいのだよな。細かい割に、最後は各troupeに任せる、みたいな投げっぱなし感があるのが不満であり、それら世界観の空白部分的なところはサプリメントやシナリオで補うしか無いのだろうなぁ。
Labels: Dungeons and Dragons, RPG
[ArM] Art & Academe
Coming for Ars Magica: Art & Academe @ Atlas Games
来年1月発売予定のサプリメント Art & Academe の記事。
13世紀初頭に学問をしていたのはOrder of Hermesだけではなく、地域によっては立派な大学が既に存在していました。医学も自然哲学や錬金術も存在していたし、Mythic Europeでは我々の現実の中世よりも不思議な事が起きる訳で、この手のサプリメントを長く待ち望んでいました --- っていうか、単にマンチキンなルール満載のThe Mysteries Revised Edition なんてずっと優先度低いだろう>Atlas。
キャンペーン用のキャラメイク前にこのサプリがあったらなぁ。普通にOoHのmagiをやるより、OoHと付かず離れずみたいな感じでnatural philosopherのcompanionを作った方が楽しげな気がするのは私だけか。
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来年1月発売予定のサプリメント Art & Academe の記事。
13世紀初頭に学問をしていたのはOrder of Hermesだけではなく、地域によっては立派な大学が既に存在していました。医学も自然哲学や錬金術も存在していたし、Mythic Europeでは我々の現実の中世よりも不思議な事が起きる訳で、この手のサプリメントを長く待ち望んでいました --- っていうか、単にマンチキンなルール満載のThe Mysteries Revised Edition なんてずっと優先度低いだろう>Atlas。
キャンペーン用のキャラメイク前にこのサプリがあったらなぁ。普通にOoHのmagiをやるより、OoHと付かず離れずみたいな感じでnatural philosopherのcompanionを作った方が楽しげな気がするのは私だけか。
Labels: Ars Magica
2007/09/24
[ArM][RPG] Re: Where is the Resolution Point?
先の、[RPG] Where is the Resolution Point?へのコメントへの返答。見やすさを考え、別エントリで。
コメントありがとうございます>Regulusさん。
「交渉や社会活動に関するルールサポートが弱い」については、必ずしもルール化(ゲームシステム)として定式化する必要は無い --- 先の評論では、交渉や社会活動がシナリオのメインならば手段をルール化すべきだ、ということになっていたけど --- とは思うんですね。うまくルールに落とせないならば例示 --- ready-to-run なシナリオ(例えばShadowrunとか良いものを出していた)とか、サプリメントとしてシナリオフック集を出す(ArM4とか結構出てた)とか、充分複雑な背景設定を提示する(ICEのMERPのサプリとか)--- という方法もあるはず。AD&DのBirthrightとか、ルールは所詮AD&D+αでしかなかった訳ですが、それなりに領国経営気分が味わえた。
「社会活動においてそれに当たるのが Gift や OoH 」ですが、Social Contactに関するルールが弱いというか、キャラメイク時にPLが重要性に気付きにくい(よりマンチキンなvirtueに心が奪われてしまいやすい)というのが良くない様な気がする。
例えば Social Contactのvirtueとか、Reputation を得られるvirtueとか、Temporal Influence のvirtueとか、あまり取る人いないよなぁ、とか思っていたり。キャラの立ち位置とか有利な活動領域とかが決まってお薦めだと思うんだけど。
Order内の魔法的課題だけを解決するmagiを遊ぶキャンペーンだというならば、魔法能力だけ卓越していればいいんだけど、そうでないならばOrderの外と関わるはず。そこが充分強調されてないから、magiを作る際に考慮が及ばなすぎるのではないかなぁ。
ちょっと関係無いかもしれないが、製造業とかでも研究開発の人材以外に総務やら営業やらと言った人々の方がずっと多い訳で、コブナントのmagiは対人交渉駄目駄目なんだから、本当はmagiの代わりに問題を調査し、魔法的課題だけを明確化したところでmagiに話を持ちかけるべきなんだよね --- つまりTRPGとしては、寧ろmagiをNPC化し、magiが出てきて魔法を唱えるまでを遊ぶRPGにした方がいいのかもしれん。
何が良いシナリオソースか、というのは人によって違うというのは勿論あります。例えばD&Dとかだと「このmonsterが出るシナリオを作ろう」「このwizard spellやmagic itemをネタにシナリオを作ろう」みたいなのが出来るのが、多分良いD&Dに向いたDMで、そういう人にとってはmonster manual, spell compendiumが立派なシナリオソース。私はそういうのはたいそう苦手で、あまり良いDMでは無いという自覚があって、地域サプリとかが無いとシナリオが作れないし、逆に言うと大量のそうしたシナリオソース(AD&D時代の大量のFRサプリとか)が有るからこそD&Dに手を出したといえる。
Ars Magicaに関しても、サプリの追加Hermetic Virtueを見て「このVirtueを持ったmagiを敵に出そう」みたいなことを考える人はいるのだろうな。そういう人にとっては、追加ルールサプリも充分なシナリオソースなんだろうなぁ。
「『深淵』の夢歩きみたいな、各人から合法的に短い語りを入れられるような奴」については同感。夢歩きは、積極的なPLがいる環境では大変良いルールですよね。そういう意味では、Whimsy Cardsを一緒に使うのが正しいのかも>Ars Magica。でも入手無理だしな〜>Whimsy Cards。
Virtue/Flawが固定的で頻繁に書き換えられない、ルール的に重い存在として定義されているというのもStory Flawの弾力的な運用を阻害しているかも。深淵の縁故や、天羅の因縁みたいに、プレイ中にどんどん書き換えて行くぐらいで良いかとも思うんですよね。Magiは長生きなんで長い一生を同じStory Flawを抱えたままというのがそもそも無理がある。
「地の文」は別に悪くないと思います。心の中の葛藤を地の文以外で上手に表現出来るならば脚本家か役者になった方がいいんじゃとも思うし(笑)、定番の焚き火を囲んで自分語り大会モードというのも、演劇的才能に乏しいPLにとって良い工夫だと思うんだけど。
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コメントありがとうございます>Regulusさん。
「交渉や社会活動に関するルールサポートが弱い」については、必ずしもルール化(ゲームシステム)として定式化する必要は無い --- 先の評論では、交渉や社会活動がシナリオのメインならば手段をルール化すべきだ、ということになっていたけど --- とは思うんですね。うまくルールに落とせないならば例示 --- ready-to-run なシナリオ(例えばShadowrunとか良いものを出していた)とか、サプリメントとしてシナリオフック集を出す(ArM4とか結構出てた)とか、充分複雑な背景設定を提示する(ICEのMERPのサプリとか)--- という方法もあるはず。AD&DのBirthrightとか、ルールは所詮AD&D+αでしかなかった訳ですが、それなりに領国経営気分が味わえた。
「社会活動においてそれに当たるのが Gift や OoH 」ですが、Social Contactに関するルールが弱いというか、キャラメイク時にPLが重要性に気付きにくい(よりマンチキンなvirtueに心が奪われてしまいやすい)というのが良くない様な気がする。
例えば Social Contactのvirtueとか、Reputation を得られるvirtueとか、Temporal Influence のvirtueとか、あまり取る人いないよなぁ、とか思っていたり。キャラの立ち位置とか有利な活動領域とかが決まってお薦めだと思うんだけど。
Order内の魔法的課題だけを解決するmagiを遊ぶキャンペーンだというならば、魔法能力だけ卓越していればいいんだけど、そうでないならばOrderの外と関わるはず。そこが充分強調されてないから、magiを作る際に考慮が及ばなすぎるのではないかなぁ。
ちょっと関係無いかもしれないが、製造業とかでも研究開発の人材以外に総務やら営業やらと言った人々の方がずっと多い訳で、コブナントのmagiは対人交渉駄目駄目なんだから、本当はmagiの代わりに問題を調査し、魔法的課題だけを明確化したところでmagiに話を持ちかけるべきなんだよね --- つまりTRPGとしては、寧ろmagiをNPC化し、magiが出てきて魔法を唱えるまでを遊ぶRPGにした方がいいのかもしれん。
何が良いシナリオソースか、というのは人によって違うというのは勿論あります。例えばD&Dとかだと「このmonsterが出るシナリオを作ろう」「このwizard spellやmagic itemをネタにシナリオを作ろう」みたいなのが出来るのが、多分良いD&Dに向いたDMで、そういう人にとってはmonster manual, spell compendiumが立派なシナリオソース。私はそういうのはたいそう苦手で、あまり良いDMでは無いという自覚があって、地域サプリとかが無いとシナリオが作れないし、逆に言うと大量のそうしたシナリオソース(AD&D時代の大量のFRサプリとか)が有るからこそD&Dに手を出したといえる。
Ars Magicaに関しても、サプリの追加Hermetic Virtueを見て「このVirtueを持ったmagiを敵に出そう」みたいなことを考える人はいるのだろうな。そういう人にとっては、追加ルールサプリも充分なシナリオソースなんだろうなぁ。
「『深淵』の夢歩きみたいな、各人から合法的に短い語りを入れられるような奴」については同感。夢歩きは、積極的なPLがいる環境では大変良いルールですよね。そういう意味では、Whimsy Cardsを一緒に使うのが正しいのかも>Ars Magica。でも入手無理だしな〜>Whimsy Cards。
Virtue/Flawが固定的で頻繁に書き換えられない、ルール的に重い存在として定義されているというのもStory Flawの弾力的な運用を阻害しているかも。深淵の縁故や、天羅の因縁みたいに、プレイ中にどんどん書き換えて行くぐらいで良いかとも思うんですよね。Magiは長生きなんで長い一生を同じStory Flawを抱えたままというのがそもそも無理がある。
「地の文」は別に悪くないと思います。心の中の葛藤を地の文以外で上手に表現出来るならば脚本家か役者になった方がいいんじゃとも思うし(笑)、定番の焚き火を囲んで自分語り大会モードというのも、演劇的才能に乏しいPLにとって良い工夫だと思うんだけど。
Labels: Ars Magica, RPG
2007/09/22
[RPG] Where is the Resolution Point?
手段をルール判定するか、目的をルール判定するか:(・_・) @ 紙魚砂日記
『「手段」部分を戦闘ではルール判定し、ここを遊ぶことをゲーム的に「主」であると考える』
『その主流部分の対立項として(情報収集は枝葉末節部分だから)「1発判定で『***について調べます』で処理してしまう」という処理をする』
と書いていて、実に要領よくゲームデザインというかマスタリングというかについて纏められていると思います。お薦め。(文章の後半が無い方が明確な文章かもしれんが。)
ゲーム的に戦闘が主であるならばそこは詳細に攻撃やダメージや戦術を表現出来る様にルール化する。一方で、情報収集はメインでないならば一発の判定で簡潔に処理する...D&Dとか概ねそんな感じ(Gather Informationで判定)なんだけど、高レベルになると情報収集手段がdivination spellとかが増えてきて厄介になるというか、あるいはまぁ呪文一発で解決するので簡単というか。RuneQuestも神託とかあるんだけど概ねGMは「喜びなさい、戦は近い」とか役に立たない戯言ばかり...。
「ゲームセッションの主眼がどこにあるのか?どこをゲーム的に処理すべきなのか?」という箇所の事を、英語のRPG関係の評論文では "resolution point" と言います。多分、Gleichmanの "Definition of Gamism" という文章を読むといいんだろうけど、なんか検索しても見つからない。一応、Play Flow First / The Impossible Dream @ RPGnetにもresolution pointについて引用されてます。
この手の話に興味のある人はその辺の文章もあたってみるといいかも。
で、最近は何でもとりあえずArs Magicaに照らして考えてみるのですが。
PL層が13世紀リアリティ厨とか(自称)Real Roleplayerに満ちているArs Magicaではあるんだけど、なんか妙に戦闘ルール(ケルターメン含む)だけが充実していて、交渉や社会活動に関するルールサポートが弱いのだよね。交渉関係のAbilityの数が少ないとかそういう話では無くて、ルール通り判定すれば、あるいはルール的に有利な様に振る舞うと、ちゃんと13世紀的な感じになる、みたいな要素が無い。例えば神への信仰心の場が魔法を阻害するルールはある(それは中世的なものを再現するためらしい)んだが、個々のmagiがどういう信仰心を持っている(含む無神論)べきか(あるいはより中世っぽいのか)についてはあまり記述が無い様な。
あるいはルールの充実度から考えると、ArMでもdungeon bashing(単にD&Dのシナリオ間時間が呪文書を作ったりscrollを書くため数日〜数週間なのが、Lab Workが数ヶ月〜数年に伸びてるだけの違い)を遊べということなのかなぁ。それは嫌だなぁ...。
ArM5はArM4に比べるとルールは明確になっていいとは思うんだがフレーバーが少し弱いかもと思わないでもない。良くも悪くもd20が流行っていた時期のRPGということなのかなぁ。とはいえ次のサプリは地域本なんで、徐々にフレーバー分も増えつつあるのだろうか。
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『「手段」部分を戦闘ではルール判定し、ここを遊ぶことをゲーム的に「主」であると考える』
『その主流部分の対立項として(情報収集は枝葉末節部分だから)「1発判定で『***について調べます』で処理してしまう」という処理をする』
と書いていて、実に要領よくゲームデザインというかマスタリングというかについて纏められていると思います。お薦め。(文章の後半が無い方が明確な文章かもしれんが。)
ゲーム的に戦闘が主であるならばそこは詳細に攻撃やダメージや戦術を表現出来る様にルール化する。一方で、情報収集はメインでないならば一発の判定で簡潔に処理する...D&Dとか概ねそんな感じ(Gather Informationで判定)なんだけど、高レベルになると情報収集手段がdivination spellとかが増えてきて厄介になるというか、あるいはまぁ呪文一発で解決するので簡単というか。RuneQuestも神託とかあるんだけど概ねGMは「喜びなさい、戦は近い」とか役に立たない戯言ばかり...。
「ゲームセッションの主眼がどこにあるのか?どこをゲーム的に処理すべきなのか?」という箇所の事を、英語のRPG関係の評論文では "resolution point" と言います。多分、Gleichmanの "Definition of Gamism" という文章を読むといいんだろうけど、なんか検索しても見つからない。一応、Play Flow First / The Impossible Dream @ RPGnetにもresolution pointについて引用されてます。
この手の話に興味のある人はその辺の文章もあたってみるといいかも。
で、最近は何でもとりあえずArs Magicaに照らして考えてみるのですが。
PL層が13世紀リアリティ厨とか(自称)Real Roleplayerに満ちているArs Magicaではあるんだけど、なんか妙に戦闘ルール(ケルターメン含む)だけが充実していて、交渉や社会活動に関するルールサポートが弱いのだよね。交渉関係のAbilityの数が少ないとかそういう話では無くて、ルール通り判定すれば、あるいはルール的に有利な様に振る舞うと、ちゃんと13世紀的な感じになる、みたいな要素が無い。例えば神への信仰心の場が魔法を阻害するルールはある(それは中世的なものを再現するためらしい)んだが、個々のmagiがどういう信仰心を持っている(含む無神論)べきか(あるいはより中世っぽいのか)についてはあまり記述が無い様な。
あるいはルールの充実度から考えると、ArMでもdungeon bashing(単にD&Dのシナリオ間時間が呪文書を作ったりscrollを書くため数日〜数週間なのが、Lab Workが数ヶ月〜数年に伸びてるだけの違い)を遊べということなのかなぁ。それは嫌だなぁ...。
ArM5はArM4に比べるとルールは明確になっていいとは思うんだがフレーバーが少し弱いかもと思わないでもない。良くも悪くもd20が流行っていた時期のRPGということなのかなぁ。とはいえ次のサプリは地域本なんで、徐々にフレーバー分も増えつつあるのだろうか。
Labels: Ars Magica, RPG
[Misc] Act of God
最近話題の事件なので。
アメリカの州議会議員が神を提訴 @ スラッシュドットジャパン
ネブラスカ州議会議員が神を提訴 @ WIRED VISION
ネブラスカ州議会議員が神を相手に訴訟を起こした、という話。
「恐い洪水、実にひどい地震、すさまじいハリケーン、とてつもない竜巻、死を招く疫病、激しい飢饉、地を荒らす干ばつ、殺し合いの戦争、先天性の欠損症など」に神が責任がある、ということなんが、この手の保険が免責になる様な災害は、英語ではAct of Godと言うのだよな。つまり、文字通り解釈すると神が訴訟対象になる。
日本では多分公開されてないオーストラリア映画に、The Man Who Sued God (2001) (リンクはIMDB) というのがあって、これは文字通り、天災で財産を失ったが保険屋に"Act of God"と言われてあろうことか神を相手に訴訟することにした顛末を描いた心温まるコメディ映画。なんでこんな映画を知っているかというと、昔Brisbaneに長期滞在中に観たからなんだが。良い映画なので機会があれば是非。
保険におけるAct of Godについては、以前にも[Movie] Lost in La Manchaについて書いた。TRPGだと、本当はトラベラーとかでネタにするといいのかもなぁ。宇宙船を宇宙港の有料駐船場に留めておいたら天災で壊れて、でも保険契約ではそれはカバーされないとかで、みたいな。D&Dだと冒険者と保険はそぐわない(Eberronならあり?)だし、Ars Magicaにも保険はちょっと早い様な気がする。VictorianネタのRPGだったらロイズのアンダーテイカーねたを絡ませてとかあるよね。
ま、ファンタジーRPGだと、本当に神様がうろうろ地上を歩いていたりするので、一見mundaneなAct of Godと思わせておいて実は、みたいなのもありかも。
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アメリカの州議会議員が神を提訴 @ スラッシュドットジャパン
ネブラスカ州議会議員が神を提訴 @ WIRED VISION
ネブラスカ州議会議員が神を相手に訴訟を起こした、という話。
「恐い洪水、実にひどい地震、すさまじいハリケーン、とてつもない竜巻、死を招く疫病、激しい飢饉、地を荒らす干ばつ、殺し合いの戦争、先天性の欠損症など」に神が責任がある、ということなんが、この手の保険が免責になる様な災害は、英語ではAct of Godと言うのだよな。つまり、文字通り解釈すると神が訴訟対象になる。
日本では多分公開されてないオーストラリア映画に、The Man Who Sued God (2001) (リンクはIMDB) というのがあって、これは文字通り、天災で財産を失ったが保険屋に"Act of God"と言われてあろうことか神を相手に訴訟することにした顛末を描いた心温まるコメディ映画。なんでこんな映画を知っているかというと、昔Brisbaneに長期滞在中に観たからなんだが。良い映画なので機会があれば是非。
保険におけるAct of Godについては、以前にも[Movie] Lost in La Manchaについて書いた。TRPGだと、本当はトラベラーとかでネタにするといいのかもなぁ。宇宙船を宇宙港の有料駐船場に留めておいたら天災で壊れて、でも保険契約ではそれはカバーされないとかで、みたいな。D&Dだと冒険者と保険はそぐわない(Eberronならあり?)だし、Ars Magicaにも保険はちょっと早い様な気がする。VictorianネタのRPGだったらロイズのアンダーテイカーねたを絡ませてとかあるよね。
ま、ファンタジーRPGだと、本当に神様がうろうろ地上を歩いていたりするので、一見mundaneなAct of Godと思わせておいて実は、みたいなのもありかも。
Labels: Misc
2007/09/03
[D&D][CRPG] Dungeons and Dragons Tactics
既に多くの人がプレイ報告を書いてますが、私もPSPを買ってD&D Tactics (英語版)を遊び始めました。
現在パーティは Clr3, Pal3, Bbn3, PsW3, Rog3, Sor3 という編成。マルチクラスが無いし、25pt-buyだしとなかなか厳しい一方で、tripやらspiked chainが無いのは個人的に好感度高。現時点までの印象としては良く出来ていると感じる。というかPLやるだけならD&DはCRPGで充分かなぁと思ったり。「D&Dはダンジョンを徘徊してHack&Slashするだけで楽しい」と良く言われるけど、Square map上でsimuration RPGを遊ぶだけならば別にTRPGで無くていいじゃん、TRPGには戦闘以外の要素があるから面白いんだよな、と思う。
DDTでは色々処理を簡略化するため出来ない事も多いが、人間がいい加減に処理するのと違って妙に厳格なのもおかしい。チュートリアルで、fireballを唱えるWizを敵から守るべく盾としてFtrを立たせたらfireballがFtrの背中に激突してそこで爆発したとか、確かに自分がDMの時にはチェックが甘かったかもしれんなぁと反省。さすがはCRPGだな。
なお、概ね多くのCRPGは最後までクリアせずに途中で挫折してしまうので、今回も最後まで遊ぶかどうかはかなり怪しい。一方、途中で放り出しても誰にも迷惑がかからないというのも、CRPGの気楽さだよな。
平行してPS2の「マナケミア〜学園の錬金術師たち」というのも遊んでいたんだが、これはこれでArs Magica的な要素が多々ある。つまりこれと充分差別化を図らねばTRPGでArs Magicaを遊ばなくていいじゃんということになる。例えば、13c.初期のヨーロッパと大きく離れちゃうならいっそ「マリーのアトリエ」的な背景世界の方が敷居が低くて遊びやすそうに思うし、ダンジョン探査とLab Workの繰り返しだけならCRPGで実装した方がプレイアビリティは高そうに思う。
「いわゆる初心者問題」について最近割と話題にされていたようだけど、初心者に優しくない遊び方というのを遊びたい人がいるのも、それはそれで判る。特定の背景世界の濃い知識を駆使して遊ぶのもまた楽しいのだよね。無論、そういう遊び方は脱落者も作る(私もまぁGreyhawkに関しては脱落組だし)訳で、PL候補が沢山いればこその贅沢な遊び方ではあるんだが。が、結局のところ初心者問題もまた、CRPGとの差別化の一要素なのかもしれんなぁと思ったり。
---
追記@2007/09/10
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追記@2007/09/17
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現在パーティは Clr3, Pal3, Bbn3, PsW3, Rog3, Sor3 という編成。マルチクラスが無いし、25pt-buyだしとなかなか厳しい一方で、tripやらspiked chainが無いのは個人的に好感度高。現時点までの印象としては良く出来ていると感じる。というかPLやるだけならD&DはCRPGで充分かなぁと思ったり。「D&Dはダンジョンを徘徊してHack&Slashするだけで楽しい」と良く言われるけど、Square map上でsimuration RPGを遊ぶだけならば別にTRPGで無くていいじゃん、TRPGには戦闘以外の要素があるから面白いんだよな、と思う。
DDTでは色々処理を簡略化するため出来ない事も多いが、人間がいい加減に処理するのと違って妙に厳格なのもおかしい。チュートリアルで、fireballを唱えるWizを敵から守るべく盾としてFtrを立たせたらfireballがFtrの背中に激突してそこで爆発したとか、確かに自分がDMの時にはチェックが甘かったかもしれんなぁと反省。さすがはCRPGだな。
なお、概ね多くのCRPGは最後までクリアせずに途中で挫折してしまうので、今回も最後まで遊ぶかどうかはかなり怪しい。一方、途中で放り出しても誰にも迷惑がかからないというのも、CRPGの気楽さだよな。
平行してPS2の「マナケミア〜学園の錬金術師たち」というのも遊んでいたんだが、これはこれでArs Magica的な要素が多々ある。つまりこれと充分差別化を図らねばTRPGでArs Magicaを遊ばなくていいじゃんということになる。例えば、13c.初期のヨーロッパと大きく離れちゃうならいっそ「マリーのアトリエ」的な背景世界の方が敷居が低くて遊びやすそうに思うし、ダンジョン探査とLab Workの繰り返しだけならCRPGで実装した方がプレイアビリティは高そうに思う。
「いわゆる初心者問題」について最近割と話題にされていたようだけど、初心者に優しくない遊び方というのを遊びたい人がいるのも、それはそれで判る。特定の背景世界の濃い知識を駆使して遊ぶのもまた楽しいのだよね。無論、そういう遊び方は脱落者も作る(私もまぁGreyhawkに関しては脱落組だし)訳で、PL候補が沢山いればこその贅沢な遊び方ではあるんだが。が、結局のところ初心者問題もまた、CRPGとの差別化の一要素なのかもしれんなぁと思ったり。
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追記@2007/09/10
- パーティが12Lvぐらいまで育った。着弾にうるさいのはfireballだけで、他の呪文や飛び道具の射線はいいかげんなのね。
- 鎧とmage armor, Bracer of armors と mage armor が重なるのね。
- 戦闘終了後にリスク無く休息出来るので、Sorは高レベルになると呪文が使い放題な感じ。一方でWand of Cure Lt. Wnd.が売ってないのは悲しい。
- なんか2回バグった。一回はBeholderを殴ったらフリーズ→Power off。もう一回は休憩時にレベルアップしようとしたら技能選択画面で次画面に移れなくなる。これはもしかしたら状態異常PCだったからかな?
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追記@2007/09/17
- クリアしました。最後はLv19。ここまでの高レベルというのはPL, DMどっちでもCRPGのD&Dでも経験がないなぁ。
- 最終戦闘はTime Stop→Polar Ray連打→前衛でちょっと殴って終了。色々ルールが違うのでこういうことになる...。
- 悪い出来ではないのだが、二周目を遊ぶかというと遊ばないかなぁ。動作が重いというかちょっと処理がもたついているところがあるよね。あと、画面が暗くて見難いかも。
Labels: CRPG, Dungeons and Dragons
2007/09/01
[Travel][ArM] Return from Rhine Gorge Expedition
近況報告。8/24-9/1の予定でドイツに観光旅行で行ってきました。
現在遊んでいるArs MagicaのキャンペーンのOutpost Sagaの舞台となるRhine川流域とかコブナント設置場所周辺の帝国自由都市のSpeyerとかを見学して、13世紀成分を蓄積してきたという感じ。気候は涼しくて過ごしやすく(かつ好天に恵まれた)、食事も美味しく、楽しい旅行でした。
...というか明日からは、幻想の高期中世ドイツから、現実の東京で仕事の日々に引き戻されたというか...。
おいおい写真を整理して旅行報告をする予定。
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現在遊んでいるArs MagicaのキャンペーンのOutpost Sagaの舞台となるRhine川流域とかコブナント設置場所周辺の帝国自由都市のSpeyerとかを見学して、13世紀成分を蓄積してきたという感じ。気候は涼しくて過ごしやすく(かつ好天に恵まれた)、食事も美味しく、楽しい旅行でした。
...というか明日からは、幻想の高期中世ドイツから、現実の東京で仕事の日々に引き戻されたというか...。
おいおい写真を整理して旅行報告をする予定。
Labels: Ars Magica, Travel