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2003/07/31

[Movie] Lost in La Mancha 

 これも上映最終週に観た映画です。もう上映も終わっており、従って感想報告。

 テリー・ギリアム監督が製作をしていた大作娯楽映画"The Man Who Killed Don Quixote"。だが様々なトラブルが続き、撮影開始後わずか6日で映画撮影は断念される...という顛末を描いたドキュメンタリー作品。従ってこの映画の製作は別(この手の映画製作ドキュメンタリーを数多く作っているロー・キー・ピクチャーズ)であり、テリー・ギリアムは単なる登場人物です。

 テリー・ギリアム監督はハリウッドとは疎遠であり、映画はヨーロッパで撮る事になるが、それ故に予算は潤沢とはいえない。監督の溢れるばかりのイメージを形にしようと思うと製作予算はあまり減らせず、それ故に余裕を十分に持った撮影体制とはならない。撮影にトラブルが無ければ問題無く作れたのだろうが、信じられないような悪天候、ロケ地の上空を飛び交うNATO空軍、実は使い物にならないスタジオ...そしてドン・キホーテ役俳優の病気が映画製作に止めをさした、ということらしい。
 そしてその過程が、感情描写を押さえた、淡々とした映像描写で語られていく。あちこちに挿入されているアニメや撮影済シーンなどが挿入されて、一個の映像作品として仕上がっています。むやみにドラマチックに作らないあたりがいいなぁ。

 本来であれば、娯楽大作映画の製作過程を追うはずのドキュメンタリーが、気がつくと製作崩壊の過程を追うものになっていく、というのはどんな感じなのだろうな。編集の為に古い撮影済のシーンを改めて見直すと、製作崩壊の予兆があちこちに、みたいな感じなんだろうか。高校生の頃に映画を撮っていた私としては、ちょっと色々考えてしまったり。

 今回映画製作が失敗したからといってもう映画が作れないとは思えない(むしろ横暴な監督だという迷信が解けると思いたい)ので、是非ともまた彼の作品を観たいですな。

 RPG的には、不可効力 (Act of God)というのの使い方が重要かなと思った。保険のある背景世界では、契約書の不備により不可効力の解釈で保険屋に負けて、財産を失うというのは、使いやすいネタかも。

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