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2006/03/30

[Books] Books for studying translation 

 文芸翻訳をする自分というのは今ひとつ想像出来ない --- 理工学書とか理系の論文とかあまり苦にならないのだが、英語の小説読むの非常に苦手だし --- のではあるが、この手の語学関係の本はつい買ってしまうのだよなぁ。珍しく最近2冊買ったので紹介。

 大森望の「特盛!SF翻訳講座」(研究社)は、まぁ大森望だから買ったみたいなところが。業界裏話的なところを楽しむ本と言えるが、あまり英語という意味では勉強にはならないかも。

 柴田元幸の「翻訳教室」(新書館)は、彼が村上春樹と共著で出していた「翻訳夜話」(文春新書)を以前読んだ事があって手に取った本なのだが、いや、面白くて有益な本でした。お薦め。
 東大文学部の学部の演習(3,4年向け)で行われた、翻訳の授業の授業を本にしたものなんだが、なるほど文芸翻訳というのはこういうものなのか、と思ったり。
 代名詞をどう訳すかとか語順は出来るだけ変えないとかのごく一般的な知識から、ニュアンスを汲み取って訳すようなもうちょっと程度の高い話とかまで。確かにここまでやれば文学部の英語の授業なのかもしれんなぁ、と思った --- いや、文学部って良く知らないのだけど。
 実のところ、単に私に知識が無かっただけで翻訳学校とかでは普通に教えているような話なのかもしれないのだが、この本は普通に理系出身者の受けた英語教育だと知らないような話に満ちていて、大変に興味深く読めた。

 ところで海外RPGの翻訳に関して言うと...うーむ、玉石混交という感じだよね。まぁ文章の性格上、文芸作品というよりは技術書みたいに翻訳すればいいのだとは思うんだが。TORGの誤訳を思うと、D&Dとか随分ましだよなぁ、と思ったり。

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[RPG] Economy in RPG Settings 

General - DMG 2 Business Rules (Or: How To Make An Honest Living?) @ EN World Forum

 キャンペーンでのダウンタイム(冒険と冒険の合間の時間)が9ヶ月あって、一部PCが街で事業をする事にした。他のPCたちも投資したので資本金は16,000gp。DMG2のルールに従って判定すると、ダイス目が良くても145gp程度しか稼げなかった。これじゃ16,000gp稼ぐのに87年もかかるということなんだが。

 というスレッド。PCたちの非冒険収入を上手に扱っているRPGというのは余り無いというか、そもそも扱いが難しいのだろうなぁ。

 まずD&D世界の経済学は控えめにいっても破綻してるよね。
 2,000gpの+1の剣を半額で売る事が出来れば、Common Meal (=3sp/day) を10年弱もの期間食べられる訳。宿屋の下働きをする少年が貧しい家族の為にとPCの装備を盗んでも仕方が無いよねぇ、とも思うが、無論自分のPCの装備が宿屋で盗まれたら話は別だ(笑)。
 Birthrightとか、魔法のアイテムが稀少だという設定だったんだが、3E化した時点でどうなったんだろう。領主が頑張って領地経営して、その収入を数える単位が Goldbar (=1,000gpだっけ、2,000gpだっけ)だったというのは割と妥当な数値だった様に思う。一方でFRのWaterdeepの豪商たちの財産て、良く解らんよなぁ。
 ある程度まともな領地経営ルールが無いと、領主の収入の大半というか領国の主要産業は、領主が領内をパトロールして遭遇した悪人を倒して得た装備売却益、ということになっちゃうのだよなぁ。
 Eberronとかも、Dragonmark持ちの豪商の息子/娘のPCを作れるんだけど、それを表現するルールは弱いよね。

 ダウンタイムを過ごすのが有利すぎると、冒険に出る理由が希薄になって、「押し」の導入ばかりとか、無理に性格設定して厄介毎に首を突っ込むとか、そういう話になる。
 Ars Magica5版とか、私の印象では、冒険に出るよりコブナントで研究してる方がどうみても効率良いしなぁ。無論、冒険に出ないとConfidence Levelは上がらないのだが。
 メガトラベラーとかも、1/36でミスジャンプする仮定の元では修理費を考えると期待値的に大赤字、壊れないという仮定の元ではちょっと投機貿易に強いPCがいると、「そんな端金でうさんくさい依頼を受けて、もし仮に1週間勾留されるような羽目になったら大損」みたいな感じだったような。

 D&D3Eの同人シナリオでCaravanというのがあって、これはFR用のキャンペーン用で、PCたちはWaterdeep発、Kara-tur行きのキャラバンの護衛をするというもの。PCたちはこの投機貿易に投資することも出来る。DM的にはいい感じと思ったのではあるがPL達には不評で結局遊びませんでした。つまり、この交易事業に投資するより、PCが自分の装備に投資した方が早くレベルアップ出来て遥かに利益率が高い、と。

 豪商とか貴族の息子/娘みたいなPCを作るとして、なんかくだらない事に金を散在出来ても然るべきとは思うのだが、お金→よい装備→強さ、というゲームシステムにおいては多額の無駄使いは難しいよな。となると、トーキョーNOVAの購入判定とか、ShadowrunのLifestyleとか、d20 Modernのルールとか、あんな感じでちょっと工夫がいるのかな、と思う。
 かつてTSRのSF-RPGにAlternityというのがあって、キャラメーク時に取得するPCの長所短所に借金というのがあって、具体的な返済目標金額とかがある訳でなく単に短所の段階としてあるだけ。Amazing段階の借金というと、もうなんか一大キャンペーンで一山当てないと返せないような感じがするよね。PCをシナリオに巻き込む「押し」としては良いのだが、「今更借金が少しぐらい増えたって、どうせ返済出来ないしなぁ」という考えもあり得る。

 とまぁ、ダウンタイムとか非冒険収入とかについて徒然と。うちのキャンペーンではこうだったとか、こんなRPGにはこんなルールがあるぞ(私は最近の国産ゲームとか疎いし)とか、なんかあればコメントとか書いて頂けると嬉しい。

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2006/03/28

[D&D] Monte's talks about OGL 

The Open Game License as I See It, Part I @ MonteCook.com
The Open Game License as I See It, Part II

 Monte Cook による OGL 論とか D&D 4th Edition の話とか。実のところ第1部の文章は注目するほどの文章ではない。読むなら第2部を読むのが良い --- つまり多分に controversial な内容なのだ。

 まず、「OGLによって、多くの非d20なRPGや会社が市場から消えた」という意見に対して、それを否定しつつも、*仮にそれが事実だとしても*それは良い事だ --- つまり新陳代謝である、と捉えている。更に、WotCの売り上げが 1% 上がるならば、残りの会社の売り上げが 10% 下がっても、業界全体としてはプラスなのだ、とも。
 ………まぁ、挑発的な発言ではあるが、市場規模としてはそんなものかも知れん。

 で、d20バブルの崩壊については、d20サプリに関して粗製濫造が過ぎた、あるいは非常にトピックスに専門化しすぎた製品を出してしまった事がまずかった、と述べている。勿論、3.5Eも原因だ。

 で、Hasbro経営陣に対する回答としてWotCはD&D4Eを近々出さねばならないだろう、2007年にアナウンスして2008発売とか。しかしそれはWotCは業界にとって良い選択ではなく、つまりHasbroは長期的市場の考慮無しに短期的収益だけを考えているだけだ、云々。

 ここんとこ、業界のd20離れは加速している様に思われるし、D&D4Eに関する噂もまたちらほら色んな人が語り始めている様に思う。
 日本ではあまり影響が無いかもとも思うが、USではD&Dが売れないと他の非D&D製品も流通に乗らなくなる可能性も高いと思うので、業界としては影響は実は大きいとは思う。

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2006/03/19

[SR4] On the Run : The first SR4 Scenario 

On The Run eBook Available! @ FanPro

 SR4の最初のシナリオ、On the Run の PDF 発売が開始されましたね。という訳で購入。
 時間がなくて内容は読んでないのですが、入門向けシナリオということで、各シーンに関連するルールのページが記してあったりなど、非常に親切な記述の様子。
 単発の入門用シナリオとしてだけではなく、どうやら一連のシナリオの最初の物語でもある様子。あとSR2のシナリオOne Stage BeforeのNPCが出るらしく、知っていればより楽しめるというものらしい。うーむ、懐かしいというか懐かしすぎて忘れてるというか。
 交渉や調査、各種の敵との戦闘、Matrix 調査など、一通りの要素が詰まっていて、なかなか良さげなシナリオに見えます。是非とも遊びたいものではある。

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2006/03/05

[RPG] The scenario derived from RPG mechanism 

[RPG論]メカニズム論に基づくシナリオ作成——V:tM における最初のシナリオ @ まりおんのらんだむと〜く+

 Vampire.S 氏による、TRPGのシステムを「メカニズム」と「ポリシー」に分けて分析し、シナリオを作成する、という話。

 Vampire.S 氏は、
と定義した上で、

と述べ、『メカニズム解析とは即ち、与えられたメカニズムの内部的整合性を調べることと、そのメカニズムが「私たちの世界の一般常識」という原始的ポリシーとどのように乖離しているか(つまり、メカニズム作者はどのような意図を持ってそのメカニズムを構成したのか)を調べることであり、メカニズム論とは個々のメカニズムに対して得られた解析結果を分類・整理することで新しいメカニズムの挙動予期を効率化することを目的とする学術である。』と述べている。

 で、この論に基づいて --- タイトルとは裏腹にというのがあれであるが --- ソードワールドRPGの入門用として相応しい低レベル用シナリオがいかなるものであるべきか、をメカニズムを解析する事によって導出してみせる。

 Vampire.S 氏の書く文章は、昔、同人誌にRQに関する文章を書いていた頃から、大変に興味深く読ませて頂いております。夏コミでこの辺の文章の載った同人誌が出るという噂であり、なんとか入手したいところ。
 あと、V:tM も良いが、ArM5 についての解析を強く希望(笑)。先日遊んだCalebaisのシナリオは、後半部分のダンジョンシナリオの存在がどうも納得出来ないのだ。なので、ArM5に関して、メカニズムから導出される、典型的ArMのシナリオはどんなものなのか、知りたいと思っています。

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[SR] Hacker Cards 

Shadowrun Resources

 D&Dとかでも呪文毎にカード化することによって、何を準備してるのかとか呪文の効果とかを簡単に把握出来る様にする工夫とかがある訳ですが、上記リンクから辿れるカードは、Shadowrun 4th edition の Matrix のプログラムをカード表現したもの。

 SR4 : Hacking Example@M's RPG Page にある様に、SR4 の Matrix ルールは、かなり整理されて遊びやすくなったとも思いますが、いかんせん Matrix が判りにくいのは確かです。それに、SR3 からの変更も大きい。
 そんな訳で、PL/GM 双方にとって、この Hacker Cards を用いる事で視覚的に管理しやすくなり、遊びやすさが向上すると思われる。ビジュアルもなかなかがんばっており、カラー印刷&ラミネートとかすると良い感じなのではなかろうか。お薦め度は高いと思われる。

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