2007/04/24
[RPG] Purpose to Publish RPG Scenarios
[D&D]カサンドラであって欲しいD16の意見 @ D16の日記
同意する部分もあるし、意見の違うところあります。が、力の入った文章であり、一読の価値があると思います。D&Derに限らずお薦め。
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シナリオの自作は可能です。ですが、プロのデザイナが作るシナリオはやはりプロの製品なのです。はっきりとクオリティも目的も違います。プロ・デザイナの作る製品シナリオはDMにとっての参考書であり、教科書であり、レシピ集なのです。
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Ready-to-runなシナリオは大事だよね。「買って、すぐDM出来る」という目的以外に、ルール運用や標準的な戦闘バランスや背景世界や標準的なNPCの反応などなど、ルールブックには書いていない多くの事を市販シナリオで学ぶ事が出来る。
私が昔々Shadowrun2版を遊び始めた頃、市販シナリオが私に取ってはSRマスタリングの教科書だった。AD&Dを遊び始めた時も、やはり市販シナリオが多くの事を教えてくれた様に思う。
Ars Magicaを5版になって遊び始めた訳ですが、実のところルールを読むよりもAtlas Gamesが無料配布しているシナリオPromises, Promises (和訳, PDF)を読んだのが一番理解が深まったという気がする。私の場合、どうせPLとしてこのシナリオを遊ぶ事はないだろう、という前提があったから読んだ訳なんだけど。
このシナリオに関していうと、ルールをどのように運用するかについてはあまりはっきり書かれていないという問題はある。例えば「レベル10以上のXxYyの即興呪文によって、○○を調べる事が出来ます。」と書かれていて、なぜレベル10なのかは判らない(即興呪文デザインのルールを読めばなぜレベル10なのか判るのだが、私は最初、難易度は適当にstory guideが決めるのかと誤解した)。
にも関わらず、「Code of Hermesの拘束力」「ArMのシナリオとして解決すべき問題の例示」「PCたち魔法使いの立ち位置」「世俗(修道院など)との関係とか特に強弱関係とか」「推奨されるべき物事の解決方法」「戦闘に勝利する事で物事を解決するのでは無い」などなどをシナリオを読む事によって大体把握出来た。(この点で、作者のDavid Chartはシナリオライターとしては大変に優秀だと思う。)
...まぁ、「展開が地味すぎる」という批評 (日本語)もある。でも、猪や熊やゴブリンを退治するのもシナリオとしては地味だよね。ArMのシナリオ典型例を示すという意味で非常に教育的だと思う。
始めてArMを遊ぶプレイグループのstory guideの為のready-to-runなシナリオとしてお薦めだ、というだけでない。「Ars Magicaってどんなゲームだろう?」と思うPLにとって、多分どのネット上の紹介文やリプレイよりもこのシナリオを読むのが実は一番理解が深まると思う。
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「シナリオは売れない」
RPG系サイトで時折目にする、そして説得力のあるフレーズです。
けれど、僕は(なかば当事者であるにもかかわらず、恥知らずにも)言います。
「なら、買え」と。
「シナリオは売れない」、このように小売や営業の人が言うのは構いません、単なる事実です。
けれど、ユーザであるわれわれがそんなセリフでものを判ったような振りをするのは間違っている。
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まぁそうは言っても、そして上述の様にシナリオがPLにとっても一番の教科書になると自分でも言っているけど、シナリオをDM以外の人が買うのは難しいよね。だってPLがシナリオ読んじゃったら困る訳で。売れていないという事実は事実として理解すべきだし、精神論で事実を覆すのは難しいんじゃなかろうか(まぁ精神論で本当に皆が買えば事実は翻るのは確かだが)。
...まぁ何のかんのいって、遊ぶ当てが全く無くても、単に背景世界の設定資料目的でシナリオ買っているのですけどね。PLをしないと思えばこそ、そういう買い方を出来るんだけど。まぁ、他人にGMしてもらうこと前提でPLが買っても良いのだろうけれど。
あと、ユーザは勝手な事を言うものです。つまらないものはつまらないというし、価格に対して価値が見合わないと思えば、単に買わないだけではなく、厳し目の批評記事を書く場合もありえる(まぁ大抵の場合、褒める必要の無いものは無視するのだけど)。でもそれが健全なあり方だよねぇ。
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WoCが本気になって作った製品のシナリオ、製品の入門者用シナリオというものは、“単体で基礎的なD&D環境を提供するだけの力”があります。
製品シナリオというものは、単なるダンジョンマップ、準備された遭遇、NPCデータ、プロットを一括したものではありません。それ以上のもの、1つのジャンルを輸出し理解させるだけの力を備えたものです。
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同意。まぁ別にD&Dに限った話じゃないけど。ShadowrunだってRuneQuestだってTORGだって、それだけのシナリオを提供してきた。TORGはマルチジャンルRPGとしてデザインされたのは事実なんだけど、付属シナリオが無ければプレイスタイルをあれだけ明確に提示出来たかどうか。
その上で、では日本のD&D業界の方々にお願い/お尋ねするとするならば、その水準に達したものをどうして(Atlas Gamesのように)無料配布出来ないのか、とも思う。別にWotCの製品でなくても、RPGAのシナリオとかでもいいし、Hobby Japanが出してもいいよね。あるいはHobby Japanとは無関係に、高水準の自作シナリオを自分のwebsiteで個人的に公開してもいいんじゃなかろうか。
WotCがDragon, Dungeonを止めてオンラインで記事を提供していくという時代の流れを鑑み、印刷部数という制約を受けないPDF配布という形などとかで、Hobby Japanが高水準なシナリオを無料配布してみてはいかがだろうか。儲けはコアルールやサプリメント、その為の客寄せとしての無料シナリオ、ということで。ちょっと違うけど、家庭用ゲーム機とかソフトのロイヤリティで儲けを出す為に、赤字覚悟でハードを売っている訳だし、RPGもシナリオ単体で儲けを出す事を考えなくてもいいんじゃないかなぁ。
同意する部分もあるし、意見の違うところあります。が、力の入った文章であり、一読の価値があると思います。D&Derに限らずお薦め。
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シナリオの自作は可能です。ですが、プロのデザイナが作るシナリオはやはりプロの製品なのです。はっきりとクオリティも目的も違います。プロ・デザイナの作る製品シナリオはDMにとっての参考書であり、教科書であり、レシピ集なのです。
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Ready-to-runなシナリオは大事だよね。「買って、すぐDM出来る」という目的以外に、ルール運用や標準的な戦闘バランスや背景世界や標準的なNPCの反応などなど、ルールブックには書いていない多くの事を市販シナリオで学ぶ事が出来る。
私が昔々Shadowrun2版を遊び始めた頃、市販シナリオが私に取ってはSRマスタリングの教科書だった。AD&Dを遊び始めた時も、やはり市販シナリオが多くの事を教えてくれた様に思う。
Ars Magicaを5版になって遊び始めた訳ですが、実のところルールを読むよりもAtlas Gamesが無料配布しているシナリオPromises, Promises (和訳, PDF)を読んだのが一番理解が深まったという気がする。私の場合、どうせPLとしてこのシナリオを遊ぶ事はないだろう、という前提があったから読んだ訳なんだけど。
このシナリオに関していうと、ルールをどのように運用するかについてはあまりはっきり書かれていないという問題はある。例えば「レベル10以上のXxYyの即興呪文によって、○○を調べる事が出来ます。」と書かれていて、なぜレベル10なのかは判らない(即興呪文デザインのルールを読めばなぜレベル10なのか判るのだが、私は最初、難易度は適当にstory guideが決めるのかと誤解した)。
にも関わらず、「Code of Hermesの拘束力」「ArMのシナリオとして解決すべき問題の例示」「PCたち魔法使いの立ち位置」「世俗(修道院など)との関係とか特に強弱関係とか」「推奨されるべき物事の解決方法」「戦闘に勝利する事で物事を解決するのでは無い」などなどをシナリオを読む事によって大体把握出来た。(この点で、作者のDavid Chartはシナリオライターとしては大変に優秀だと思う。)
...まぁ、「展開が地味すぎる」という批評 (日本語)もある。でも、猪や熊やゴブリンを退治するのもシナリオとしては地味だよね。ArMのシナリオ典型例を示すという意味で非常に教育的だと思う。
始めてArMを遊ぶプレイグループのstory guideの為のready-to-runなシナリオとしてお薦めだ、というだけでない。「Ars Magicaってどんなゲームだろう?」と思うPLにとって、多分どのネット上の紹介文やリプレイよりもこのシナリオを読むのが実は一番理解が深まると思う。
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「シナリオは売れない」
RPG系サイトで時折目にする、そして説得力のあるフレーズです。
けれど、僕は(なかば当事者であるにもかかわらず、恥知らずにも)言います。
「なら、買え」と。
「シナリオは売れない」、このように小売や営業の人が言うのは構いません、単なる事実です。
けれど、ユーザであるわれわれがそんなセリフでものを判ったような振りをするのは間違っている。
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まぁそうは言っても、そして上述の様にシナリオがPLにとっても一番の教科書になると自分でも言っているけど、シナリオをDM以外の人が買うのは難しいよね。だってPLがシナリオ読んじゃったら困る訳で。売れていないという事実は事実として理解すべきだし、精神論で事実を覆すのは難しいんじゃなかろうか(まぁ精神論で本当に皆が買えば事実は翻るのは確かだが)。
...まぁ何のかんのいって、遊ぶ当てが全く無くても、単に背景世界の設定資料目的でシナリオ買っているのですけどね。PLをしないと思えばこそ、そういう買い方を出来るんだけど。まぁ、他人にGMしてもらうこと前提でPLが買っても良いのだろうけれど。
あと、ユーザは勝手な事を言うものです。つまらないものはつまらないというし、価格に対して価値が見合わないと思えば、単に買わないだけではなく、厳し目の批評記事を書く場合もありえる(まぁ大抵の場合、褒める必要の無いものは無視するのだけど)。でもそれが健全なあり方だよねぇ。
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WoCが本気になって作った製品のシナリオ、製品の入門者用シナリオというものは、“単体で基礎的なD&D環境を提供するだけの力”があります。
製品シナリオというものは、単なるダンジョンマップ、準備された遭遇、NPCデータ、プロットを一括したものではありません。それ以上のもの、1つのジャンルを輸出し理解させるだけの力を備えたものです。
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同意。まぁ別にD&Dに限った話じゃないけど。ShadowrunだってRuneQuestだってTORGだって、それだけのシナリオを提供してきた。TORGはマルチジャンルRPGとしてデザインされたのは事実なんだけど、付属シナリオが無ければプレイスタイルをあれだけ明確に提示出来たかどうか。
その上で、では日本のD&D業界の方々にお願い/お尋ねするとするならば、その水準に達したものをどうして(Atlas Gamesのように)無料配布出来ないのか、とも思う。別にWotCの製品でなくても、RPGAのシナリオとかでもいいし、Hobby Japanが出してもいいよね。あるいはHobby Japanとは無関係に、高水準の自作シナリオを自分のwebsiteで個人的に公開してもいいんじゃなかろうか。
WotCがDragon, Dungeonを止めてオンラインで記事を提供していくという時代の流れを鑑み、印刷部数という制約を受けないPDF配布という形などとかで、Hobby Japanが高水準なシナリオを無料配布してみてはいかがだろうか。儲けはコアルールやサプリメント、その為の客寄せとしての無料シナリオ、ということで。ちょっと違うけど、家庭用ゲーム機とかソフトのロイヤリティで儲けを出す為に、赤字覚悟でハードを売っている訳だし、RPGもシナリオ単体で儲けを出す事を考えなくてもいいんじゃないかなぁ。
Labels: Ars Magica, Dungeons and Dragons, RPG
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