<$BlogRSDUrl$>

2005/12/30

[ArM] Annotation of ArM5 Virtues Completed 

全美点解説に挑んでみる! @ パルテストラーダ

 Ars Magica に関する情報では一番の充実度と思われる Regulusさんのパルテストラーダですが、Ars Magica 5版の全 Virtue の解説が終わりました。今年(2005年)の1年を費やしての労作です。是非、ご一読を。
 Virtue は基本的には特殊能力のようなもので、組み合わせを検討したりなど、マンチ心をくすぐる存在です。それをキャラ設定や活躍の見せ場へと反映させる際の参考として、例えばどんな物語のどんなキャラがその Virtue っぽいのかなどが豊富な知識を元に解説されてます。その手のネタのストックが不足している人には特にお薦めです。
 2006年には Flaw の解説があると期待してます。Flaw は、PL から Story Guide (=GM) 側に「私はこういう苦境に陥って物語の主役になりたい」と伝えるようなものも多く、ベテラン Story Guide の解説は期待大です。

 Ars Magica の5版は2004年の年末近くに出て、House 本も全3冊中の1冊が出たし、( WotC のサプリメント展開とは比較にならんのではあるが) 順調に製品展開されていると言えるでしょう。もうすぐ、Covenant 本が出るようだし、来年4月には大変に楽しみにしていた2冊目の House 本 ( Mystery Cult 本) が出るようだし。

 今年1年、Ars Magica のキャンペーン ( まだ完了しない。予定では来年2月に遊んで終わる予定 ) に参加しての印象ですが、という感じかなぁ。

 ルールや背景世界には不満が無い訳ではないが、長期のキャンペーンに耐えうる RPG のルール/背景世界だと思います。無論、Regulus さんなどの良い PL に恵まれた事が何より大きいとは思うが。

Comments:
過分のお言葉をいただきまして恐縮です。来年の Flaw 編、ご期待に添えるといいんですが(^^;)

それはともかく、ここで列記なさったプレイ感は、なんとも「ぶっちゃけた話」という感じで、よく当を得ていると思います(私も苦笑しつつ頷きました)。

というか、今年は tmiya さんとキャンペーンをご一緒させていただいて、「ベテランの有能な TRPGer が初めて ArM に取り組んだときに、どのように感じ、どのように考えるのか」に間近に接することで、私の中でも随分いろいろなことを意識化したり整理したりできたんですよね。感謝。 (Use This Comment Link)
 
日本語版のあの記事については、当時の
 1. 準拠メカニズムが ArM 2nd や 3rd であった
 2. 周辺のメカニズムはおしなべてよりストーリー性を重視していなかった
 3. その中で、B-ローズ(門倉直人)とまったくパラレルに、
 -自由魔法メカニズムを搭載し、Mark Rein・Hagen/Jonathan Tweet の主導する「ストーリーテリング」に対する初期のイデオロギーが記載されていた

といった点を押さえることが重要かな、と思います。ぶっちゃけ、B-ローズを現代的視点でもって「ストーリー重視のルールを持ったゲーム」とは言えませんでしょう?同様、NOVA の第一版もそうとは言い難い。

メカニズムを評価する視点は、歴史的に移り変わるということではないでしょうか。

ArM の初期は、D&D のルールをちょっと細かくしたぐらいの魔法ルール(RuneQuest/Gurps Magic と比較してみてください)を使って、メチャメチャ変な異世界(Mythic Europe)で遊びましょう、という同人 RPG でした。Formulaic Magic と Spontaneous Magic の区別がほとんど無かったですから。つまり、全部 PC が用意する必要がありました。実質、5 Tech × 10 Form に対して、Spell Guideline 程度の「魔法」が列挙されていて、各種のパラメータ(射程と持続時間)を制御できる、それだけの RPG だったのです。故に、用意されたルール+データと、背景世界情報との間に著しいギャップがあった。大体、背景世界の章には、一言「図書館に行き給え」とだけ書いてあったのですから。

故に、革新的だったのはイデオロギーだったのです:無限小の細かさで情報が設定されている「現実」という背景世界で、D&D のマジックユーザー達にシェークスピア劇をやらせよう、と。

そして、同人(明らかにデキが荒いゲーム)といっても、そこにはイデオロギーがあった。故に、一部のデザイナー、特に日本においては FEAR 系の人々に影響を与えています。

そのため、彼らの視点を尊重するなら、あの当時としてはあの紹介は間違っていなかったと思うのです。

単に、その後日米で RPG というゲームの遊び方が分岐した(なぜなら、1988-1989 においては、B-ローズと ArM という二つのゲームが、同時に出てきたのですから)という方が、実情に近いと思われます。 (Use This Comment Link)
 
vampire.Sさん、コメントどうもありがとうございます。
 あまり考えがまとまってないのではありますが。

★なるほど、ArM2, ArM3を読んだ上であのリプレイを再考すべきという訳ですね。確かに私の視点からは抜け落ちていたかも知れません。確かにArM4の前は私は読んでないですし。やはり読まないと駄目か。

★一方でArM4, ArM5に関して言うと、あまりストーリー指向だけのゲームとは言えんよなぁとも思ってます。遊びたいストーリーに比べると、ちょっとゲームシステムが重過ぎる。
 同じTweetの作品でも、Everwayとかの方がずっと軽くてセンスの良いゲームシステムだと思ってます。

★いわゆる昨今のFEAR的な感じのストーリー支援用ルールの有無が、ストーリー指向か否かであるとは思ってません。

★D&Dでシェークスピア劇が出来ないわけでは無いしなぁ、とも思ってます。例えばBirthrightとかでAD&Dを遊べば物語の中心は宮廷の陰謀やら恋愛がメインになりますし。(一方で、おとぎ話的な物語は確かにAD&Dとは相性が悪いところもあるが...。)
 Birthrightは無論'89より後の製品ですが。

★あと、(自由魔法では無いとは思うが)Pendragonは'89より古いよなぁ、とか。こっちのほうがArMよりストーリー指向度が高いと思いますが。

★自由魔法システムについて。
 BローズやArM的な魔法ルールのRPGというと、A Saga Companion (1998)という、Dragonlanceを遊ぶためのRPGもあるんですが、まぁ出版社がTSRなんでストーリー指向とはあまり思われてなかったような。
 あと、Stormbringerとか'89より前のRPGですよね。呪文デザインルールは確かに無いのですが、精霊の使役とかデーモンのデザインとか、自由度という意味ではSpontaneous Magicとかと近いようにも思います。
 その辺もあって、Spontaneous Magicのルールの有無が、この問題を議論する上では重要だとはあまり考えてないです。

★ところで、Bローズって、ArM1と独立に出たのでしょうか?影響を受けてたりするんじゃないかと思っているのですが。 (Use This Comment Link)
 
ええっと、お返事が遅くなって申し訳ありません。簡単に、幾つか。あとで、もう少し精密に論じるかもしれません。

>★一方でArM4, ArM5に関して言うと、あまりストーリー指向だけのゲームとは言えんよなぁとも思ってます。

その通りです。

>同じTweetの作品でも、Everwayとかの方がずっと軽くてセンスの良いゲームシステムだと思ってます。

それはどうでしょうか?そもそも、Tweet は相当早期に ArM のメンテを止めちゃってるので、最初だけ、です。というか、彼がメンテをやめたから、「ストーリー指向だけのゲームとは言えない」事態になった、と考えた方がらしいかな、と。

ArM のサポートは RQ や PARANOA だののディヴェロッパー連中がやってた時期がありますからね(U.C. Berkley が表に出てくるのが、恐らくそういう理由です)。その後、White Wolf によって再度歴史的厳密性をねじ曲げられた時、RQ ルネッサンスと並行して連中が整備したのが、グローランサの西方だったはず。だから、フレストル派魔道士と同じ感覚を持っているのは、そもそも当然ではないでしょうか。Sandy Petersen がデザインした 4th Sorcery メカニズムが、連中の世界観を反映しているはずです。おかげで、魔道呪文技能が上昇すると威力が上がる形式に改まっているし。


というわけで、
>★あと、(自由魔法では無いとは思うが)Pendragonは'89より古いよなぁ、とか。こっちのほうがArMよりストーリー指向度が高いと思いますが。

つまるところ、第二世代 RPG である Chaosium 系の連中が移籍してきて、Tweet/Rein・Hagen 組の衣鉢を継いだ、というのが実体のような……?なお、2nd の ArM のサプリメントは、バリバリのアメリカナイズド・ジャパニメーション風イラストがてんこ盛りです。

http://www.durenmar.de/images/cogita.gif

この辺なんか顕著ですね(Houses of Hermes の 1st のイラスト)。あと、戦士がプレートメイル着て戦っているイラストがあるんですが、その両肩がモビルスーツ型に膨らんでいて、非常に 80 年代後期ラノベの鎧を思い出させてくれます。

>★ところで、Bローズって、ArM1と独立に出たのでしょうか?

ArM の第一版は、ほとんど同人誌みたいなノリ(ガリ版刷り、とかそんなかんじ)だったハズです。一方、B ローズは遅くともマル勝つPC エンジンの読者参加企画連載時には概要が固まっていたでしょうから、相互に影響を与える環境にはなかっただろうと思います。確定するためには、インタビューしか手がないんですが。 (Use This Comment Link)
 
Post a Comment

This page is powered by Blogger. Isn't yours?