2025/11/09
[5.5e] Character Making
D&D 2024 版でのキャラメイクの話をします。基本的には PHB の記述に沿ってやれば良いはずなんですが、実情に合ってない気もするので、自分なりに解説します。
クラス (Class)
まず最初に自分の遊びたいクラスを決める必要があります。D&Dには12の基本となるクラスと、ソースブックなどで追加されるクラス (Artificer など) がありますが、とりあえず追加クラスのことは忘れます。
各クラスはレベル3に達すると、サブクラスを選択可能です。サブクラスによってはキャラの性格付けやパーティ内の立ち位置が大きく変わってしまう場合もあるので、クラスを選択する際にはサブクラスまで考慮して選択するのが望ましいですが、一応どのクラスにも典型的な立ち位置のサブクラスというのがあるので、困ったらそれを選べば良いという考え方もあります。
パーティ内の役割とか立ち位置という意味では、以下の分類が参考になります。(バードやウォーロックはキャラのビルド次第で前衛キャラにも後衛キャラにも出来ますが、逆にいうと方針がブレると中途半端になりがち)
- 近接武器戦闘:バーバリアン、ファイター、モンク、パラディン、レンジャー、ローグ、(ウォーロック)
- 遠隔武器攻撃:ファイター、レンジャー、ローグ
- タンク:バーバリアン、ファイター、パラディン
- ヒーラー:クレリック、ドルイド、(バード)
- 攻撃呪文:ドルイド、ソーサラー、ウォーロック、ウィザード、(クレリック)
- 支援呪文:バード、クレリック、ドルイド、ソーサラー、ウィザード
- フェイス(交渉役):バード、パラディン、ソーサラー、ウォーロック
- 隠密/偵察:バード、モンク、レンジャー、ローグ
- 技能:バード(全般/交渉)、レンジャー/ドルイド(野外活動)、ローグ(全般/開錠)、ウィザード(知識系)
マルチクラス
D&D 2024 版はマルチクラスの旨みがかなり減った感じはしますが、それでもキャラの出来ることを増やしたり、なんかすごい大きなダメージの出るコンボをやりたくて、マルチクラスを検討している方も多いかと思います。
マルチクラスするためには、転職前と転職後の両方のクラスについて、クラス毎に定められた主要能力値について最低 13 が必要になります。
また、セービングスローにレベルによる習熟ボーナスが貰える能力値は、1レベル目に選んだクラスで決ま離ます。さらに、鎧の習熟に関しても1レベル目だけ重装鎧の習熟が貰えたりなど、マルチクラスを行う場合はクラスの成長順序の考慮も必要です。
しばしば行われるのは、重装鎧と盾の習熟のためにファイヤーやパラディンを1レベル目に選択したり、CON セーブ習熟のために術者系クラスがファイターを1レベル目に取ったりします。
種族 (Species)
D&D 2024 版には10種の種族 (Species) があり、種族の中でさらに分化している場合もあります。
ポリコレへの配慮が原因で、Race ではなく Species という単語が使われるようになり、旧来存在していたハーフエルフ、ハーフオークなどは無くなりました。
ハーフオークについてはオークがプレイヤー用種族となりそれを使用、ハーフエルフについてはデータ的には人間あるいはエルフのどちらかのデータを選んで使うことになり、ゲームデータに現れない部分(外見とか)についてはルール的には定めがありません。
各種族は様々な種族固有の能力(暗視能力とか属性耐性とか飛行能力とか)を持っていたりします。一方で旧来存在した種族毎の能力値ボーナスは無くなりました(後述の背景で得られる)。旧ルールほどには、あるクラスを遊ぶなら特定種族が有利、みたいなのは減ったとは思います。が、種族特殊能力を考えると、やはり向き不向きはあるように思います(例えばオークは明らかに前衛向き)。
あと、旧ルールからの差分というと、小さい種族の移動速度ペナルティとか、ドラウ (Drow) の日光によるペナルティなどが無くなりました。
特定種族に対する偏見などの社会的差別については、PHB には一切記述がなく、また背景世界毎に異なるため、自分の DM に相談しましょう。
これもポリコレ的配慮なのか、例えば FRHF (Forgotten Realms: Heroes of Faerun) とかの記述を見ると Drow とかは比較的受け入れられている様子ですが、Tiefling 辺りはまだ偏見があるようにもみえる記述があります。
背景 (Background)
キャラメイク時には背景 (background) を1つ選択します。PHB には 16 個が提供され、FRHF では地域関係が 10 個、勢力 (faction) 関係が7つ提供されています。
背景は、貴族 (Noble) とか兵士 (Soldier) とかの、冒険者になる前の生まれとか職業などを表し、
- 能力値:(背景に相応しい)3つが指定されその中から、+2/+1 するか +1/+1/+1 するかを選べる。
- 特技:(背景に相応しい)出身特技 (origin feat) という特技が1つ貰える。
- 技能習熟:(背景に相応しい)技能習熟 (skill proficiency) が2つ貰える。(なお1レベルクラス選択時に技能が2つ貰える。クラスによっては追加あり)
- 道具習熟:(背景に相応しい)技能習熟 (skill proficiency) が1つ貰える。
- 装備:(背景に相応しい)装備セットあるいは現金を貰える。(なお1レベルクラス選択時に適切な装備あるいは現金も貰える。)
がセットになったものです。
で、PHB のプレイテストの時代からですが、この背景のルールは批判も大変多かったです。というのは上記がセットになっているからです。
一応建前的には「能力値や特技がセットになっていることで、自分のキャラの生い立ち設定に合わせて背景を選べない。ロールプレイの阻害になる。」という批判な訳ですが、おおむね能力値ボーナスと出身特技を自由に選択させろ、ということかなとは思います。
あとはまぁ些細な批判としては、「6つの能力値から3つだと20通り必要なはずだが、16しかない。ということは能力値に+1/+1/+1出来ない組み合わせがある。」という意見もありますが、ほとんどの人が+2/+1することを考えると、あまり関係ないかなと。
DMG には背景を自作する基準も載ってますし、DM はルールを自由に変更出来ますからセットを解除することも可能です。なので DM の方針に従ってください。
能力値 (Ability Scores)
能力値を決める方法は PHB には次の3つが書かれています。これも DM が指示すると思います。
- Standard Array: 15, 14, 13, 12, 10, 8 を好きに割り当てる。
- Random Generation: 4d6 振って好きな3つを選ぶ、を6回繰り返す。それを好きに割り当てる。
- Point-Buy: 27 ポイントを割り振る。オンライン上には https://chicken-dinner.com/5e/5e-point-buy.html のようなツールがあるのでそれを利用すれば良い。
ダイスを振って能力値決定するのは楽しい、という意見もありますが、個人的には長期に遊ぶキャンペーンとかでは Point-Buy でプレイヤー間で差が出ない方が良いかと思います。また DM のいないところでキャラメイク出来るというのもメリットが大きいかと思います。
ダイス目を振って能力値を決める、に関しては別の記事でシミュレーション結果を解説しています。
PHB には能力値に従って外見とか性格を決めるための表が載っています。STR が高ければ筋骨隆々だったり他人を守る性格だったり、INT が高ければ論理的だったり好奇心が強かったりなど。この辺はデータ的な意味は無いのでロールプレイの参考にするのに使うと良いでしょう。
その他の情報
- アライメント (Alignment):いつもの Good-Evil (善悪の規範), Lawful-Chaotic (秩序への態度)の軸による9つのアライメントがあり、アライメントを元に性格付けをする表が載っています。ゲーム的にはアライメントは外方次元界 (Outer Planes) とかを冒険しない限り、ほぼ使わないデータになってしまいましたが、大雑把に性格を分類するには便利です。
- 名前:キャラの名前は必要ですね。
- その他:PHB では以下のようなことを決めるのを提案しています。
- 性別
- 最も大切にしている人
- 最も恐れている物とか事柄
- 冒険の中で求めるもの(知識・富・名誉・悟り・正義・慈悲・力、など)
- 小物 (Trinkets):PHB には Trinkets というランダム表があります。「あなたにとって未知の領域にある土地の権利証書」「解読不能な宝の地図」「観察されていないときに動き回る小さな機械のカニまたはクモ」などちょっと不思議な小物を貰えます。もしかしたら DM が将来のシナリオのネタに使ってくれるかもしれません。
まとめ
という訳で D&D 2024 版のキャラメイクを概観してきました。実際には、各クラスや各種族、各背景の説明が必要なのですが、それはまた別の記事で。
Labels: 5.5e, Dungeons and Dragons
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