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2006/12/31

[RPG] Elements of Gaming 

Elements of Gaming @ RPGnet

 rec.games.frp.advocacy関連で見つけた文章。rec.games.frp.advocacyの常連で、Gleichman Ratingで知られる、Brian Gleichmanの文章。全部で5つの記事からなり、以下は簡単な紹介。本文はもっと長いので各自読まれたし。

 #1: Elements of ComplexityはRPGの複雑性に関して。彼は複雑性をImplementation, Mass, Conceptの3つに分類している。
 Implementation(実装)の複雑性とは、「例1:1d8を振って 、strengthが12を超えた値を足す。この結果を対象のhitpointから引く」「例2:対象のどの身体部位に命中したか決める。武器の貫通力からその部位のアーマー値を引いて、武器の衝撃力を掛けた値が最終的な潜在的ダメージとなる。この値を、身体部位の構造点で割ってダメージ比を得る。ダメージ比を弾道衝撃表で引いて、負傷段階と最終結果を得る。」の違い。あるいは、キャラメイクが紙と鉛筆だけでなく表計算ソフトが必要な類いのRPGも含まれる。Implementation Complexityを好む人々もいる。なんかPhoenix Commandというゲームがこの手の複雑性が高いらしい。
 Mass(分量)の複雑性とは、「例1:全ての片手武器は1d8ダメージ、命中に+1、イニチアチブに+1の修正」「例2:このゲームには50種類の片手武器があり、それぞれ1d3から1d20のダメージ、命中とイニシアチブの修正も+0から+3の値、が個々に定められる」の様な違い。あるいは呪文記述が個別記述になっているかなどで、RolemasterD&Dがそれぞれ例1例2に対応する。
 Concept(概念)の複雑性とは、簡単なルールなんだがその運用結果が想像出来る様になるのが難しい類いのゲーム。筆者はChessの例を挙げているのだが、私としては囲碁の方が適切な様な気がする。例としてHeavy Gearを挙げているがこれは良く知らない。Mech Warriorとか、軽量級の回避力の高さが実際に機体を走り回らせないと達成されないみたいなものかなぁ。D&Dとかもリソース管理のあたりはConceptの複雑さがあると書いているな。

 #2: Elements of TacticsはRPGデザインの際に戦術に関して考える事について。
 Resource Management(リソース管理)は、例えば呪文使用回数とか消費アイテムの管理などで、D&Dはリソース管理の重いゲームらしい。一般に、管理対象のリソースの種類が増えれば、戦術上の管理項目が増える。
 Dissimilar Assets(似ていない資産)は、諸兵科連合効果みたいな話。砲兵と騎兵と歩兵には一長一短があるので巧く組み合わせましょうみたいな話で、典型的な例はD&DだとFighter-Wizard-Cleric-Rogueを組み合わせる話。勿論、V:tMとかでもclanが色々あったりなどする。
 Maneuver(機動)は、正しい時、正しい場所に、正しい戦力を配置することだが、RPGデザインとしてはあまりルール化に成功していない。それでも、キャラクターの向き(や不意打ち、背後からの攻撃)、複数の敵との交戦、射程、地形ルールなどを駆使すれば、戦力の大きな敵を倒す事も出来る。
 この文章では "Pace of Decision" (PoD) という概念について説明がある。割とrec.games.frp.advocacyで良く出る概念なんだよね。PoD とは、PL側が負ける速度であり、個々の判断と着手の重要性を表す。あるいは、どの程度戦闘がデッドリーか、ということ。例えば、D&Dではhitpointという概念があり、1ラウンドのダメージが総hpに比べて低ければ、1ラウンドの選択ミスは致命的ではなく(次のターンに回復可能) Pace of Decision は低いといえる。PoD が低ければ勝敗はリソース総量への依存性が高く、PoDが高すぎる場合には戦闘開始前の初期状態で勝敗が決まってしまう。個人の好むPoDは各人によって異なり、それ故に多くのゲームが存在する。
 この他に、メタゲームという概念もある。PCでなくPLレベルの情報に基ずくものだったり、ルール外ゲーム(例えばポーカーのルールには、いつブラフすべきかのルールは無い)などもあるが、通常 Tactical Play という場合は、これらは考慮に入れないことが多い。
 以上の要素の多い少ないで各種のRPGを分類出来る。

 #3: Layer of Designはゲームデザインの階層性について述べている。
 Gameは実際のルール記述、ゲームシステムであり、眼に見える形で存在していて、再現可能である。
 Near Gameは文章を見た限りでは、ルールで扱われるが、お互い隠すもの、のことを指すようだ。例えば行動を予めプロット(行動がカードに書かれていて、伏せて置いておくとか)するような、不確定で読み合いの余地が存在する様なもの。
 Near Meta-Gameは、主観的あるいはゲームメカニクスで書かれてないもの。主観的というのはGM (or PL)の解釈が必要なもので、例えばD&Dのアライメント違反とか、ファンブルの詳細はGMが描写せよみたいなルールとか。
 Meta-Gameとは、主観的な処理や手法、"group contract" とロールプレイからなる。主観的処理 (Subjective resolution) というのはゲームシステムへの依存度の低い処理で例えば「このPCは聞き込み調査が得意だから、まぁ夜になったら誰それを見つけたということで良いよ」みたいな話。ルール外の処理は主観的処理にならざるを得ない。興味深い点として、「主観的処理を妨げるルールを書かない事」自体がゲームデザインとなる、ということが挙げられる。Group contract (仲間内のお約束) は、「Hack & slash を遊びたい」「宮廷陰謀劇を中心に遊ぼう」「PCは互いに協力すべし」「Evil PCは禁止」などなど。これらはしばしば明文化されず、当然ながらデザイナーの管理下に無い。ロールプレイは普通にロールプレイね。
 Far Meta-Gameというのは、ゲームには無関係なんだが、大きな影響を与える事柄で、典型例というのは "GM's girlfriend syndrome" (GMのガールフレンドと卓を囲む状況) らしい。
 で、何をどのLayerに置くかがデザイン (例えばD&Dのalignmentとか、CoCのSANとか) であるが、Game Layerに戦闘ルールしか書かれてないからといってHack & Slashなゲームだとは言えない。

 #4: Rationales for Mechanicsは、ゲームシステムはなぜ必要か、なぜ別のゲームシステムを作るのか、みたいな話。
 まず "Limiting Player Options" (PLの選択肢の制限)という話がある。ゲーム内で出来る事を定める、あるいはゲームに相応しくない行為を禁止する。
 次に、"Providing Meaningful Player Choices" (PLの意味ある選択を与える) がある。例えば戦闘ルールとか。充分に多数で複雑なの選択肢を提示する事が、ゲーム内イベントの結果を導くPLの決定に対して重要である。
 また、"Inspiring Player Action" (PLの行動を喚起する) がある。例えばCall of CthulhuのSanityのルールとかで、ロールプレイや物語生成に有用である。
 そして、"Replacing Player Choice" (PLの選択を代用する) である。これはまぁ例えば<社交>技能とかによって色々抽象化したりPLの能力以上の選択を可能にする。
 最後に、"Provide an Illusion" (幻想を与える) がある。ある種のゲームシステムは "Suspension of disbelief (SoD)" を助ける。SoD というのもrec.games.frp.advocacyでよく使われる用語なのだが、ある用語集によれば、"The willing (and often unconscious) decision not to question too closely assumptions underlying the gameworld in which one is playing, eg. allowing the existence of magic, or the ability of a secret agent to shoot his way through a small army of enemy agents."と書かれていて、ゲーム世界の為の仮定(魔法が存在するとか)を疑わないという(しばしば無意識の)決定、である。例えば、ゲーム世界内で全ての人が同じ通貨を使うのは信じにくいので、複雑な通貨ルールを導入するとか。
 で、上記の事柄を判りやすく提示する為には、デザイナーズノートを記述するという方法がある。どんな風に遊んで欲しいのかを伝えるにはリプレイを書くより優れ、他者がゲームを評価する際に役立つ。

 #5: Elements of StrategyはNear Game, Meta-Gameレベルで起きる事柄であり、長期的な事柄である。
 この記事はまぁ普通にSLG的な話が書いてあるので省略していいような気がする。

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追記:

Comments:
Suspension of disbelief(というのが正しい綴り)は本来、フィクション全般に対して使われる言葉です。Wikipedia 等を参照するとよいでしょう。

SoD 自体は「こんな世界あるわけない」という疑念(disbelief)を一時棚上げ(suspend)して架空世界を楽しむ、という態度を指すわけだけど、あまりに無理のある要素が登場すると「SoD が壊れる」わけで、そこからゲーム世界内で全ての人が同じ通貨を使うのはどうこう、という話になっていくわけですね。rec .games.frp.* ではシミュレーション志向の人が自分の嗜好を擁護するために SoD を持ち出すことが多いが、何が SoD を壊すかは人によって千差万別だというのが難しいところ。 (Use This Comment Link)
 
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